東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は反落となりました。409円安の37,653円で寄り付いた日経平均は取引開始から30分余りで457円安の37,605円まで下落しましたが、朝方の売り一巡後に下げ渋ると257円安の37,805円で前場を終えました。

178円安の37,884円でスタートした後場の日経平均はさらに下げ幅を縮めると大引け間際に36円安の38,026円まで持ち直しましたが、戻し切れないとやや下げ幅を広げ結局111円安の37,951円で取引を終えています。

こうしたなか新興市場も安く東証グロース市場250指数が下落となっています。

2.個別銘柄等

円高を受けてニトリホールディングス(9843)が一時3.2%高となりました。海外の工場で生産した製品を輸入・販売していることから円高による採算改善を期待した買いが入りました。

半導体ファブレスメーカーのメガチップス(6875)も一時7.9%高となりました。自己株式を除く発行済株式数の5.6%にあたる100万株、45億円を上限とした自社株買いを発表したことで大幅高となりました。

機械工具商社の杉本商事(9932)も一時7.0%高となりました。1株を2株とする株式分割を発表したことで株式の流動性の向上と投資家層の拡大を期待した買いが入りました。

転職サイト「type」を運営するキャリアデザインセンター(2410)も一時9.3%高となりました。2024年9月期の期末配当を従来予想から10円積み増し90円にするとしたことや、これまでの配当方針を変更し普通配当のみで配当性向を40%以上とするとしたことで上げ幅を広げました。

また、目標株価の引き上げを受けてライフネット生命保険(7157)やレオパレス21(8848)が高く、ライフネット生命保険が一時4.3%高となり、レオパレス21も一時8.1%高となりました。

一方でコロワイド(7616)が一時12.3%安となり年初来安値を更新しました。公募増資などで最大367億円を調達すると発表したことで株式需給の悪化や1株利益の希薄化を懸念した売りが膨らみました。

さらに投資判断と目標株価の引き下げを受けて太平洋セメント(5233)やダイキン工業(6367)が安く、太平洋セメントが一時4.6%安となり、ダイキン工業も一時4.2%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は111円安となりました。米国株安や円高を受けて売りが優勢となり朝方には450円以上下落する場面もありましたが、5日移動平均線(37,638円)を下回ったところで下げ渋ると大きく持ち直し、節目の38,000円を回復する場面もありました。

しかし、38,000円を小幅に上回ったところでは戻り待ちの売りが出て上値が押さえられました。そのため38,000円を超えたところでの上値の重さが意識されそうで、38,000円を超えて水準を切り上げることができるかが当面はポイントとなりそうです。

なお、日本時間の22日午前3時に7月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨が公表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)