今週(5月10日~16日)の相場動向

相場回顧 BTC:主要インフレ指標の鈍化を受け、米国株とともに堅調に推移

ビットコインは、米国における主要インフレ指標の鈍化を受けて利下げ観測が高まり、堅調に推移した。

米国ではJPモルガンやウェルズ・ファーゴなど大手金融機関によるビットコイン現物ETFの保有が明らかになった。また、ゲームストップ株の高騰を受けて暗号資産市場でもミームコイン銘柄が強い値動きとなった。

これらを受けてビットコインの買いが一時的に強まる場面は見られたが、ボウマンFRB理事やジェファーソンFRB副議長が年内の利下げ開始について慎重な見方を示したことで上値が重くなった。香港のビットコイン現物ETFから大口出金が確認されたことも嫌気された。

5月14日に発表された4月米生産者物価指数は、市場予想を上回る伸びとなったものの一部の項目が鈍化し、まちまちの反応となった。その後、5月15日の4月消費者物価指数が前月比で6ヶ月ぶりに鈍化し、年内の利下げ開始への期待から米国株とともに急上昇した。米国金利が急低下する中、S&Pとナスダックは過去最高値を更新し、ビットコインはBTC=1,026万円(66,000ドル)付近まで高騰した。

 

来週(5月17日~5月23日)の相場予想

BTCは米国金利の低下が続けば買いが強まると予想、現物ETFの資金フローにも注目

4月の米雇用統計に続いて米消費者物価指数が鈍化したことを受けて、市場では9月までの利下げ開始が期待されている。その期待で米国金利の低下が続けば、米国株とともにビットコインも堅調に推移することは考えられる。一方、FOMC議事要旨の中で当局者の利下げ開始に慎重な姿勢が示された場合、米国金利が高止まりし、上値は重くなると予想する。

米国では、一部の大手金融機関やファンドがビットコイン現物ETFを所有していることが次々に明らかになり、ビットコイン現物ETFへの資金流入が戻りつつある。この傾向が米国株の上昇の中で強まれば、ビットコインがさらに上昇することは考えられる。一方、マイナー動向や米国の暗号資産関連企業の取り締まりによって上値を抑えられる可能性があり、引き続き注視が必要だろう。

直近、上値として2024年4月高値付近であるBTC=1,120万円(72,000ドル)、下値としてBTC=933万円(60,000ドル)を意識する。