先週前半は順調に推移をしていた暗号資産市場ですが、後半から価格が崩れ、BTCは一時940万円前後まで価格を押し下げられました。急落ではありましたが、特段、大きなネガティブ材料が出たわけではなさそうです。ここ2日間は少しずつ価格を回復させており、5月12日夜には960万円に一時的に回復する局面も見られました。レンジ切り下げでしょうか? 

BTC(ビットコイン)、待ちの状態で 押し目買いの体制を整える時間帯

【図表1】BTC/JPY 日足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

BTC/JPY日足チャート分析から入ります。先週もまたSMA30(黄色)がレジスタンスとなりました。3月以降、極めて高い確率でレジサポ要因として機能しています。 現在のSMA30は985万円前後で推移しており、今週はここを突破してクローズする日があるかどうか注目です。 
 
さらにSMA90(水色)もSMA30と隣接しており、強力なレジスタンスラインとしてワークしそうです。 よって今週は975-985万円が鬼門ゾーンとなるのではないでしょうか。ここを突破してローソク足がクローズできると、今度は強力なサポートラインとして機能すると思われ、仮に超えて下落した場合は、買い場となりやすいでしょう。 

今週仮に1000万円近辺まで再度上値を伸ばすタイミングがあれば、965-975万円がサポートラインとして機能するフェーズとなり、今週後半から週末にかけてチャンス到来となるかもしれません。今は少し待ち、上値の更新を見届けてから押し目買いに入る体制を整えておくとよいのではないでしょうか。 

ETH(イーサリアム)は地合い悪し、44万円割れから41万円前後か?

【図表2】ETH/JPY 日足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

続いて、ETH/JPY日足チャートです。 地合いが悪くなってきました。並行チャネルレンジ内で推移しているものの、ディセンディングトライアングル形状も形成しており、下値ブレイクは時間の問題かもしれません。 

アルトコイン市場は全般的に盛り上がりに欠け、ETHも勢いがない状況です。 MACDも0.00をやや下回ってマイナス圏で推移しているため、もう一段安もあり得るのではないでしょうか。

44万円前後のサポートラインが要のため、ここを破るとSMA200(橙)を目指してもう一段安となるでしょう。 次のサポートは時間差も考慮して41万円前後でしょうか? 週後半以降のサポートはSMA200が推移しているであろう41万円前後で意識しておくとよさそうです。よって押し目買いを狙うならば、この水準からではないでしょうか。 
 
また、仮にこの水準から反発した場合、SMA30は47万5,000円付近、SMA90は50万円付近で推移しているため、これらもそれぞれレジスタンス要因となります。上がったところで戻り売り戦略の方が有利に働くのではないでしょうか。 個人的にはETHを短期トレードでショート狙いし、41万円手前で買い戻すようなトレードを意識してもよいのではないかと考えています。 
 
今週は5月15日(水)に米CPIの発表が予定されています。市場予想を下回ればFRB(米連邦準備制度理事会)はハト派に傾斜し、金融緩和期待で株式市場が上昇しやすくなるため、暗号資産市場の反発も起こりやすいでしょう。このタイミングでETHは戻り売りを新規で狙うとよいかもしれません。15日の経済指標はぜひチェックしましょう。