ユナイテッドヘルス・グループ[UNH]決算:1株利益は6.91ドルで市場予想を上回る

ユナイテッドヘルス・グループは、米国最大級の民間医療保険会社であり、2021年末時点、米国外の500万人を含む5,000万人の会員に医療給付サービスを提供している。事業者提供医療制度、自家保険制度、政府による公的保険制度のための医療保険プランの大手として、マネージドケア市場で大規模に事業を展開している。また、医療保険事業に加え、医療・薬剤給付サービスから提携先および第三者に対する外来患者ケアや分析サービスまでを手掛けるオプタム事業への継続的な投資により、ヘルスケアサービス市場で巨大な組織を構築している。

出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.

第1四半期(1-3月期)実績

★売上高 ・・・ 前年同期比8.6%増の997.96億ドル(市場予想は992.12億ドル)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・ 6.91ドル(市場予想は6.59ドル)

決算総括

1-3月期(第1四半期)売上高、調整済みEPSはともに予想を上回った。子会社のサイバー攻撃に関連したコストにもかかわらず、1株利益、売上高とも予想を上回った。2024年12月期通期の特別項目を除く1株利益見通しを据え置き、買い安心感が広がった。

今後の株価見通し

当面500ドルを目指す展開が予想される。

ジョンソン・エンド・ジョンソン[JNJ]決算:1株利益は2.71ドルで市場予想を上回る

ジョンソン・エンド・ジョンソンは、世界最大規模で最も多角的なヘルスケア企業である。医薬品、医療機器・診断、消費者の3部門で構成されている。医薬品、医療機器・診断の部門は合わせて売上高の80%近くを占め、キャッシュフローの大半を占めている。医薬品事業部門では、免疫、腫瘍、神経、肺、心臓、代謝疾患などの領域に重点を置いている。医療機器・診断事業部門では、整形外科、手術器具、視覚ケア、およびいくつかの小さな領域に焦点を当てている。消費者事業部門は、ベビーケア、美容、口腔ケア、市販薬、および女性の健康に焦点を当てている。消費者部門は、Kenvueという新しい名称で2023年に分社化された。地理的には、米国内で総収益の約半分が生み出される。

出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.

第1四半期(1-3月期)実績 

★売上高・・・前年同期比2.3%増の213.83億ドル(市場予想は213.91億ドル)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・2.71ドル(市場予想は2.65ドル)

決算総括

最終損益が53億5,400万ドル(約8,200億円)の黒字となった。前年同期は集団訴訟の対応費用がかさみ、6,800万ドルの赤字だった。特殊要因を除いた継続事業ベースの 1株利益は2.71ドルで、前年同期(2.41ドル)と市場の予想(2.61ドル程度)を共に上回った。

バンク・オブ・アメリカ[BAC]決算:1株利益は0.83ドルで市場予想を上回る

バンク・オブ・アメリカは、米国最大の金融機関の1つで、2兆5,000億ドル以上の資産を保有している。カスタマー・バンキング、グローバル・ウェルス&インベストメント・マネジメント、グローバル・バンキング、グローバル・マーケットの4主要事業部門からなる。消費者向け業務には、支店網や預金業務、小売貸付商品、クレジットカードやデビットカード、小企業向けサービスなどがある。メリルリンチ事業は、バンク・オブ・アメリカ・プライベートバンクと同様に、ブローカレッジやウェルス・マネジメント・サービスを提供している。ホールセール業務には、投資銀行業務、法人向けおよび商業用不動産融資業務、キャピタル・マーケット業務などが含まれる。米国外でも数ヶ国で事業を展開しているが、主に米国に注力している。

出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.

第1四半期(1-3月期)実績

★調整後の収入・・・前年同期比2%減の259.77億ドル(市場予想は256.09億ドル) 
★1株当たり利益(調整済み)・・・0.83ドル(市場予想は0.77ドル) 

決算総括

1-3月期(第1四半期)売上高、調整済みEPSはともに予想を上回った。米連邦預金保険公社(FDIC)は米地銀シリコンバレーバンクなどの破綻時の預金保護にかかった費用を回収するため、前の四半期に続いて米銀各行に特別な負担金を課した。バンク・オブ・アメリカは2024年1-3月期に7億ドルを負担した。

今後の株価見通し

トレーディング収益が予想以上に好調だったほか、純受取利息(NII)も予想を上回った。ただ、貸倒損失が15億ドルと予想以上の損失を計上したことや、金利外費用が6.2%増の172億ドルと予想以上に膨らんだ。 

ラスベガス・サンズ[LVS]決算:1株利益は75セントで市場予想を上回る

ラスベガス・サンズは、カジノ、ホテル、エンターテインメント、飲食、小売、会議・展示会施設を備えた世界最大級の完全統合型リゾートを運営している。マカオにベネチアン・マカオ、サンズ・マカオ、ロンドナー・マカオ、フォーシーズンズホテル・マカオ、パリジャン、シンガポールにマリーナベイ・サンズ・リゾートを保有している。2022年に、米国のベネチアンとパラッツォ・ラスベガスの資産を62億5,000万ドルでアポロ・グローバル・マネジメントとVici プロパティーズに売却した。2028年に、シンガポールで4つ目のタワーをオープンする予定である。ラスベガスの資産売却後は、全てのEBITDA(利払前・税引前・償却前利益)がアジア地域で生み出され、売上高の大部分をカジノ事業が占めることになる。

出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.    

第1四半期(1-3期)実績

★純収入・・・前年同期比40%増の29.6億ドル(市場予想は29.3億ドル)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・75セント (市場予想は60セント)

決算総括

1-3月期(第1四半期)売上高、調整済みEPSはともに予想を上回った。重要な指標である不動産EBITDAも予想を上回っている。

チャールズ・シュワブ[SCHW]決算:1株利益は0.74ドルで市場予想と一致

チャールズ・シュワブは、証券業務、ウェルスマネジメント業務、銀行業務、資産運用業務を手掛ける金融サービス会社である。大規模な実店舗型の証券支店網とオンライン証券サイトを運営、モバイル取引機能も備え、証券業界で首位的地位を築いている。また、銀行業務、投資信託事業も展開し、独立系投資アドバイザーにサービスを提供している。顧客の預かり資産残高は7兆ドル(2022年12月末時点)を超え、投資事業会社では業界最大手に属する。ほぼすべての収益が米国で生み出されている。

出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.

第1四半期(1-3月期)実績

★調整後の収入・・・前年同期比7%減の47.40億ドル(市場予想は47.14億ドル)
★1株当たり利益(調整済み)・・・0.74ドル(市場予想:0.74ドル)

決算総括

1-3月期(第1四半期)売上高は予想を上回ったが、調整済みEPSは予想と一致した。チャールズ・シュワブの第1四半期決算には、中期収益が好調であることを示す明確な兆候が見られた。同社は純収益47億ドルに対し、純利益は12億5,000万ドル(希薄化後1株当たり0.68ドル)を普通株主に報告した。

今後の株価見通し

75ドル超えから、投資タイミングを図ることになりそうだ。