【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 38,883.67  ▼9.13 (4/9)
NASDAQ: 16,306.64  △52.68 (4/9)

1.概況

米国市場は小幅に高安まちまちとなりました。ダウ平均は10日に発表となる3月の米消費者物価指数(CPI)を警戒した売りが出て下落となりましたが、S&P500株価指数とナスダック総合株価指数は長期金利の低下を受けてハイテク株の一角に買いが入り上昇となりました。90ドル高でスタートしたダウ平均は直後に100ドル高まで上昇しましたが、朝方の買い一巡後に伸び悩むとまもなくしてマイナスに転じ下げ幅を広げ昼前には320ドル安まで下落しました。その後下げ渋ると引けにかけて持ち直しましたが、戻し切れず結局9ドル安の38,883ドルで取引を終え続落となりました。一方でS&P500株価指数が7ポイント高の5,209ポイントと反発となったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も52ポイント高の16,306ポイントと3日続伸となっています。

2.経済指標等

主要な経済指標の発表はありませんでした。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち不動産や公益事業、生活必需品、一般消費財・サービスなどの9業種が上げ、不動産は1%を超える上昇となりました。一方で金融と資本財・サービスの2業種が下げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄ではシスコシステムズ[CSCO]が買いの投資判断を受けて3%を超える上昇となったほか、ナイキ[NKE]も1%以上上げました。インテル[INTC]も1%近く上昇しています。一方でトラベラーズ[TRV]が3%近く下落し、アメリカン・エキスプレス[AXP]も投資判断の引き下げを受けて2%近く下げました。ボーイング[BA]も1-3月期の旅客機の出荷が前年同期から大幅に減ったことで2%近く下落しています。ダウ平均構成銘柄以外では主力ハイテク株の一角が高く、テスラ[TSLA]が2%を超える上昇となり、グーグルの持ち株会社であるアルファベット[GOOGL]もデータセンター向けのCPU(中央演算処理装置)を開発したと発表したことで1%以上上げています。また、新興電気自動車(EV)のルーシッド・グループ[LCID]も1-3月期の出荷台数が前年同期に比べ4割増えたことで2%を超える上昇となっています。

5.為替・金利等

長期金利は0.06%低い4.36%となりました。ドル円は151円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場が小幅に高安まちまちとなり新たな買い材料に乏しいことから軟調なスタートが予想されます。こうしたなか今晩に3月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控えていることから様子見ムードの強い一日となりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)