東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は反発となりました。476円高の39,928円で寄り付いた日経平均は上げ幅を広げると9時40分前に791円高の40,243円まで上昇しましたが、朝方の買い一巡後に伸び悩むと649円高の40,101円で前場を終えました。

683円高の40,135円でスタートした後場の日経平均はさらに上げ幅を縮め40,000円の大台を割り込むと結局321円高の39,773円と本日の安値で取引を終えています。一方で新興市場は安く東証グロース市場250指数が下落となっています。

2.個別銘柄等

花王(4452)が一時7.3%高となり年初来高値を更新しました。花王の株式を保有する香港投資ファンドのオアシス・マネジメントが花王に対し、低採算のブランドや商品数の削減などを求める声明文を公表したことで事業効率の改善を期待した買いが入りました。

荏原製作所(6361)も一時5.2%高となりました。半導体の回路線幅が2ナノメートルに対応する半導体研磨装置の開発にメドをつけたと伝わったことを材料視した買いが入りました。INPEX(1605)も一時3.8%高となり年初来高値を更新しました。原油先物価格が昨年10月下旬以来の高値を付けたことで収益の拡大を期待した買いが入りました。

伊藤忠商事(8001)も一時4.1%高となり上場来高値を更新しました。昨日に発表した2025年3月期の経営計画を評価した買いが本日も入りました。他の大手商社株も高く丸紅(8002)が一時2.6%高、三井物産(8031)が一時3.3%高、住友商事(8053)と三菱商事(8058)も一時3.2%高となりました。

また、銅先物価格の上昇を受けて非鉄株も高く、住友金属鉱山(5713)が一時7.5%高、三菱マテリアル(5711)が一時5.8%高、DOWAホールディングス(5714)が3.4%高、三井金属鉱業(5706)も一時5.1%高となり、住友金属鉱山とDOWAホールディングスは年初来高値を更新しています。

さらに目標株価の引き上げを受けて住友ゴム工業(5110)が一時5.7%高となり、ソシオネクスト(6526)も投資判断と目標株価の引き上げを受けて17.5%上昇しストップ高となり昨年来高値を更新しています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は321円高となりました。米長期金利の上昇一服を受けた米ハイテク株高の流れを引き継いで買いが優勢となりました。また、米半導体大手のエヌビディア[NVDA]が台湾で起きた大規模な地震による半導体供給への影響を見込んでいないと伝わったことで、半導体の供給網への影響が軽微との見方が広がったこともあり上げ幅を大きく広げ40,000円の大台を上回り800円近く上昇する場面もありました。

しかし、明日の夜に米雇用統計の発表を控えていることもあり後場に入って伸び悩むと40,000円を下回って取引を終えました。したがって明日は様子見となりやすいなかで40,000円を超えて水準を切り上げることができるかがポイントとなりそうです。

なお、今週から小売り企業を中心とした2月決算銘柄の本決算発表がスタートしています。本日も引け後にはアダストリア(2685)やオンワードホールディングス(8016)などが決算を発表する予定です。また、日本時間の21時30分には米新規失業保険申請件数と2月の米貿易収支が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)