東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は大幅反落となりました。277円高の40,646円で寄り付いた日経平均は直後に327円高の40,697円まで上昇しました。しかし、朝方の買い一巡後に伸び悩むとまもなくしてマイナスに転じ前引け間際に632円安の39,737円まで下落し604円安の39,765円で前場を終えました。

659円安の39,709円でスタートした後場の日経平均は直後に662円安の39,706円まで下落した後下げ渋りましたが、引き続き軟調に推移すると結局566円安の39,803円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も安く東証グロース市場250指数が下落となっています。

2.個別銘柄等

3月31日に発表となった3月の中国の製造業購買担当者景気指数(PMI)が50.8と6ヶ月ぶりに好調と不調の境目である50を上回ったことで中国関連銘柄の一角が買われました。ファナック(6954)が一時5.6%高、日立建機(6305)が一時3.3%高、安川電機(6506)も一時5.3%高となりました。

ゼンショーホールディングス(7550)も一時5.4%高となりました。牛丼チェーンのすき家で約3割のメニューを値上げすると発表したことなどで収益の改善を期待した買いが入りました。楽天グループ(4755)も一時5.0%高となり年初来高値を更新しました。企業価値を高め、サービスの向上を目指すため10月をめどに上場している楽天銀行(5838)を含め、カードや証券を一つのグループにまとめると伝わったことを好感した買いが入りました。

また、東証スタンダード市場では100円ショップを展開するキャンドゥ(2698)が一時3.6%高となり年初来高値を更新しました。既存店売上高が好調に推移したことや、販管費が当初予想を下回る見込みとなったことで2024年2月期の業績予想を上方修正したことから買いが優勢となりました。

一方で本日発表の3月の日銀短観で自動車の景況感が大幅に悪化したことで自動車株が売られました。トヨタ(7203)が一時4.6%安、日産(7201)が一時2.2%安、ホンダ(7267)が一時3.2%安、マツダ(7261)が一時3.1%安、SUBARU(7270)も一時3.3%安となりました。豊田自動織機(6201)も一時10.4%安となりました。デンソー(6902)が保有する豊田自動織機株の全てを売却すると発表したことで株式需給の悪化を懸念した売りが膨らみました。オートバックス(9832)も一時3.9%安となり年初来安値を更新しました。フランチャイズチェーン店への卸売価格引き下げなどにより2024年3月期の業績予想を下方修正したことで大幅安となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は566円安となりました。新年度入りによる新たな資金流入への期待などから買いが先行しましたが、3月の日銀短観で大企業製造業の景況感が4期ぶりに悪化となるなか下落に転じると、機関投資家などによる益出しの売りが幅広い銘柄に出て下げ幅を大きく広げました。しかし、25日移動平均線(39,741円)を小幅に下回ったところでは下げ渋りました。そのため25日移動平均線が下値抵抗線として意識されそうです。

なお、小売り企業を中心とした2月決算銘柄の本決算発表が本日からスタートします。本日も引け後にはあさひ(3333)やしまむら(8227)が決算を発表する予定です。また、日本時間の23時には3月の米ISM製造業景況感指数の発表が予定されています。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)