毎週月曜21時から開催している「広木隆のMonday Night Live」でいただいたご質問のうち、セミナー内で回答しきれなかったご質問に広木隆が回答いたします。回答対象とするご質問は、サイトへの掲載を考慮して選択採用とさせていただきます点についてご了承くださいますようお願いいたします。

Q.好調な米国株相場が下落するとしたらその要因は?

走り屋様からのご質問

今後、S&P500やNASDAQ100がこのまま上昇するとは思えません、このあと下落する要因は何でしょうか。

 

えいきちたん様からのご質問

米国株は好調で過熱感を感じています。その一方で下落する理由も今のところは見えてきません。
しかし、いつまでもこの調子で上がり続けるとも思えないです。何がきっかけで米国の株は下落や調整に入ると思いますか。

 

回答

米国株上昇の要因は利下げ期待です。FRB(米連邦準備制度理事会)の利上げが終焉し、12月のFOMC(米連邦公開市場委員会)で示唆された2024年に3回の利下げを好感して上がってきました。したがって、今後、調整が起こるとすれば、利下げ期待を完全に織り込んでしまうことでしょう。

さらに下落となれば利下げ期待の後退が考えられます。今の市場はかなり「前のめり」なので、ちょっとした揺り戻しはあると考えています。より深刻なのは、利下げそのものの開始が見通せない状況がしばらく続く可能性があることです。米国の労働市場は強く、失業率は3%台。みんな仕事があって収入があるから消費も減らない。こういう状況ではリセッションになる可能性は非常に低い。よっていつまでも利下げが始まらない可能性があり、それはマーケットにとって大きなリスクです。

Q.米株のバンカメなど銀行、金融株の売り時はいつでしょうか。

バンビ様からのご質問

日本の金融、銀行株はまだ保有できるとしても、米株のバンカメなど銀行、金融株の売り時はいつでしょうか。

 

回答

前の質問で述べたように米国経済は堅調なので、別に米国の金融株を売る必要はないでしょう。

Q.分散投資から米国債券を購入しようと考えていますが、何年ものがいいですか。

五郎様からのご質問

分散投資から米国債券を購入しようと考えていますが、何年ものがいいですか。
また米国にも税金を払わなければならないとこから、利益水準は高くないように思いますが、広木さんのご見解はいかがでしょうか。

 

回答

五郎さまのポートフォリオの全体像がわかりませんので、詳しくはアドバイスできませんが、普通に10年債で良いのでは?「利益水準は高くないように思う」という言葉の意味が分かりませんが、分散投資の観点から行うというのであれば、リスク・リターンと他のアセットクラスとの相関の観点から考えるべきですので、一概に高いリターンを求めるものではないと考えます。

Q.相場の動きが激しく、よくわからないのですが、年末ラリーが始まったのでしょうか。

ニニギ様からのご質問

相場の動きが激しく、よくわからないのですが、年末ラリーが始まったのでしょうか。

 

回答

そういうことです。

Q.来年以降の日本のインフレは何%と広木さんは、想定されていますか。

いずおのジョン様からのご質問

来年以降の日本のインフレは何%と広木さんは、想定されていますか。

 

回答

CPIで言えば1.5~2.0%程度でしょう。

Q.半導体、自動車、インバウンド以外の先導役が来ないと日経平均は上値更新しないのではと思います。広木さんが、注目しているセクターを教えてください。

ひろちん様からのご質問

半導体、自動車、インバウンド以外の先導役が来ないと日経平均は上値更新しないのではと思います。広木さんが、注目しているセクターを教えてください。

 

回答

12月21日付日経新聞は「海外投資家による一部の大型・ハイテク株への買いが相場を押し上げた夏までと比べて、買われる業種、買い手の投資家ともに裾野が広がっている」と報じました。夏までの相場上昇の主役は、確かに大型の自動車株や半導体関連株でしたが、いまや日経平均をアウトパフォームする業種の数は20まで増えました。一極集中だった物色が広がり、幅広い銘柄への買いが相場を支える構図に切り替わっています。上昇率をみると海運や石油、鉱業といった景気敏感とされる業種が上位に並んでいます。こうした循環物色で日本株は底上げがはかられていくと思います。

 

Q.日銀は利上げは行うのでしょうか。

株小僧様からのご質問

いつもありがとうございます。
アメリカの金利が下がってきても、日本のグロース株は弱いように思います。日銀が金利を上げようとしてるからでしょうか。そうするとしばらくあがらないのでしょうか。見解を教えてください。

 

クロ様からのご質問

日銀の政策修整により2024年のJREITは厳しいでしょうか。日銀は利上げを行うのでしょうか。

 

回答

日銀の政策について:
マイナス金利解除に動くとすれば、春闘の状況を確認して物価見通しを示す4月会合でしょう。実際、市場関係者が予想する政策変更のタイミングとすれば、この4月会合が最多だろうと思います。

あるいは2024年中の政策変更はなしというシナリオも考えられます。

その理由は、日銀はマイナス金利解除を急ぐ必要がないからです。なぜ日銀はマイナス金利解除を急ぐ必要がないのか。それはマイナス金利解除というものは、あくまでも「金融政策の正常化(への一歩)」であって、いわゆる金融引き締めとしての「利上げ」ではないからです。そして、日銀が金融引き締めとしての「利上げ」を急ぐ必要がないというのは、インフレが落ち着いてきているからです。

2022年から2023年前半にかけて米国のFRBや欧州のECB(欧州中央銀行)など海外の中央銀行が急速な利上げをおこなってきたのは、歴史的な高さに跳ね上がったインフレを抑制することが目的でした。海外のインフレはようやくピークを超え、徐々に沈静化しています。日本でもインフレ率が高まった主な理由は、この海外のインフレが波及したからです。したがっておおもとの海外のインフレが収まってきたならば、時間差を伴って日本のインフレもピークアウトするのが当然の成り行きでしょう。

モノの価格の値上がりは着実に鈍化していますが、サービス価格は上昇が続いています。ではこれを抑制しようと利上げをおこなうべきでしょうか。サービス価格の上昇は人手不足などを背景とする人件費の上昇が要因です。すなわち賃金が上がっているわけです。モノの値段は落ち着き、賃金は上がる。これぞ望ましい環境に向かってきています。この流れを変える必要などどこにもありません。

マイナス金利政策というのは、非伝統的政策であり、いわば非常時の対応です。日本経済が本当にデフレを脱却し、正常なマイルドなインフレが定着する経済になれば、マイナス金利政策の解除は当然です。不自然なことはやめるのが良いのです。それと、景気の過熱を抑制する目的でおこなわれる金融引き締め(=利上げ)はまったく別物です。したがって日銀は「賃金と物価の好循環」が確認できれば2024年4月以降にマイナス金利政策の解除、すなわち、マイナス0.1%の政策金利を0%にすることはあっても、0%を越える「利上げ」はまだ当面先のこととなるでしょう。

Q.NEXT FUNDS 東証REIT指数連動型上場投信の今後の見通しは

rudo様からのご質問

NEXT FUNDS 東証REIT指数連動型上場投信(1343)を保有しています。今10%ほど含み損です。
今後の見通しは。お薦めの対処方針はいかに。

 

回答

分配金利回りはいくらの時に購入されましたか?そして、現在もコストに対して利回りは悪くないはずです。REITは不動産投資であり、不動産投資の主眼は利回り(イールド)を得ることです。含み損は気にしないで、あくまでインカムゲイン獲得を意識してください。


このコーナーでは、毎週月曜夜21時から開催している「広木隆のMonday Night Live」でいただいたご質問のうち、セミナー内で回答しきれなかったご質問にチーフ・ストラテジストの広木隆が回答いたします。

今回は2023年12月4日、12月7日、12月11日、12月18日のセミナーで寄せられたご質問から抜粋して回答しています。

回答対象とするご質問は、サイトへの掲載を考慮して選択採用とさせていただきます点についてご了承くださいますようお願いいたします。

 

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