大学2年生の時に株式投資を始め、社会人7年目にして資産2500万円を突破したメーカー営業マンさん。投資を始めた当初は失敗を重ね、一時はマーケットから撤退を考えたことも。その後、投資スタイルを変え、生活費を除いた余剰資金をできるだけ投資に回し、着実に資産を増やしています。メーカー営業マンさんに現在の投資スタイルに至るまでの試行錯誤の日々や、結婚を機に変化した家計管理などについてお聞きしました。

●メーカー営業マンさんプロフィール●
東京都内の電気機器メーカーで働く営業マン(29歳)。共働きで夫婦2人暮らし。20歳の時に株式投資を始め、FX、高配当株投資を経て、現在はインデックス投信を中心にコツコツ投資を続けている。ブログ「20代メーカー営業マンが資産運用を始めてみた」では、会社員としての年収や資産運用の推移などを赤裸々に綴っている。

大学時代に株式投資とFXで失敗を経験、高配当株投資を始める

――投資に興味を持ったきっかけを教えてください。

高校生の頃、ネットのニュースで株式投資を知り、「働かないで収入を得たい」と思ったのが最初のきっかけです。2014年、大学2年生の時にパズドラにハマっていた私は初めての投資として、ガンホー(3765)の株式を購入。ガンホーは、前年(2013年)にパズドラの大ヒットで株価が急騰したので、再びヒットするかと考えたのですがビッグウェーブは訪れることなく…。結局、買値で売却しました。

次に、値上がり益が高かったスカイマーク(9204)の株式を購入しましたが、民事再生法の適用申請が発表されて、株価が急落。アルバイトで貯めた30万円の元手資金は数千円程度まで減りました。その後、FXでも痛手を負い、スカイマーク株とFXの取引で約100万円を失いました。当時大学生だった私にとって、高い勉強代だったと思います。

――痛手を負った経験から投資スタイルを見直されたのでしょうか。

改めて株式投資について勉強し、穂高唯希さんのブログ「三菱サラリーマンが株式投資でセミリタイア目指してみた」に影響を受けて、高配当株への投資を始めました。

将来は投資信託への投資を9割に増やしたい

――その後、高配当株投資からインデックス投信をメインに投資するスタイルにシフトされたのは、なぜでしょうか。

2020年の夏頃、S&P500や全米株式を指数とするインデックスファンドは、コロナショック前の水準を超える勢いで回復していました。しかし、当時私のポートフォリオは米国の高配当株に重きを置いていたので、反発の動きが鈍かったんです。つみたてNISAで積み立てているインデックスファンドのパフォーマンスは+10.5%だったことに対し、高配当個別株のリターンはマイナスでした。こうした経緯から、徐々に投資信託への投資の割合を増やすようになりました。

――今後は個別株と投資信託のバランスをどのくらいにしたいとお考えですか?

現在、個別株の割合は50%程度ですが、最終的には投資信託90%、現金5%、その他5%くらいでよいかなと考えています。持ち株や優待目的で保有している銘柄もあるので、実際はそこまでいかないかもしれませんが。

【図表】メーカー営業マンさんの資産配分
出所:メーカー営業マンさん作成

――現在、優待銘柄も少し保有されているそうですが、どのような銘柄をお持ちですか。

優待目的で保有している銘柄は、オリックス(8591)、SFPホールディングス(3198)、飯田グループホールディングス(3291)などです。株主優待の内容を見て、気になった銘柄を「エンジョイ枠」として少しずつ投資している程度。優待銘柄は優待がなくならない限り、一定の株価水準は維持されると思いますので、保有し続ける予定です。

――米国株はどのような銘柄を保有していますか。

アッヴィ[ABBV]やサザン・カンパニー[SO]など、高配当株投資をしていた頃に購入した銘柄をいくつか保有しています。パフォーマンスが下がらない限り売却する予定はありません。

投資はシンプルでつまらないぐらいがよい

――毎月積み立てている商品について教えてください。

積み立てている商品は4本です。つみたてNISAで米株のS&P500やNASDAQ100等の指数に連動するインデックスファンドを積み立てています。他にも、企業型DC(企業型確定拠出年金)では、先進国株式に連動する投資信託を積み立てています。

――毎月どのくらいの金額を投資に回していますか。

生活費を除いて、余剰資金のほとんどを投資に回しています。現状、月々18万円ぐらいですね。

――投資スタイルを変えたことによって、投資に対する向き合い方に変化はありましたか。

少しつまらなくなりましたね(笑)。毎月決まった日に定額で投資信託を自動購入するだけなので…。高配当株投資をしていた頃は、エクセルで保有銘柄をリスト化し、月毎に得た配当金額を確認することが楽しみでした。今はそういった面白さがなくなってしまいましたが、投資はシンプルでつまらないぐらいがちょうどよいのかなと思っています。

――投資をどのように勉強されましたか? 読んで参考になった書籍などがあれば教えてください。

すべてインターネットから情報を収集して勉強しています。投資を始めた当初は証券会社のメディアの記事を参考にしつつ、インターネット掲示板「2ちゃんねる」からも情報を得ていました。綿密に分析するのではなく、「とりあえずやってみよう」という感覚で、実践しながら知識を身につけたように思います。

投資の勉強のために読んだ書籍はないですが、生き方として『DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール』(ダイヤモンド社)が参考になりました。

結婚を機に家計や投資額に変化も

――最近ご結婚されたそうですが、家計や投資額に変化はありましたか。

はい。結婚式や引っ越しの費用を現金で捻出する必要があるので、その分、投資額は減りました。

家計については、家賃や光熱費などは夫婦でお金を出し合って管理しています。その他、夫婦それぞれが支出する分については自身のお金から自由に使っています。リスク分散の観点から、完全に夫婦で統合するより、ある程度個別に管理した方がよいのではないかと考えています。

――ご夫婦で投資についてお話されることはありますか。

妻も投資をしているので、日常会話の中で「この株式に興味がある」といったことを話すこともあります。妻と私では投資スタイルが異なるので、お互いそれぞれのやり方を尊重しています。

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※本インタビューは2023年10月17日に実施しました。
※本内容は、個人の経験に基づく見解であり、当社の意見を表明するものではありません。
※投資にかかる最終決定は、お客様ご自身の判断と責任でなさるようにお願いいたします。