【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 32,784.30  ▼251.63 (10/26)
NASDAQ: 12,595.61  ▼225.62 (10/26)

1.概況

米国市場はハイテク株への売りが続き続落となりました。18ドル安でスタートしたダウ平均は朝方に69ドル高となる場面もありましたが、伸び悩むとマイナスとなり下げ幅を広げ昼過ぎには291ドル安まで下落しました。その後下げ渋ると前日の終値近辺まで持ち直す場面もありました。しかし、戻し切れないと引けにかけて下げ幅を広げ結局251ドル安の32,784ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も225ポイント安の12,595ポイントとなっています。

2.経済指標等

7-9月期の米実質GDP速報値は年率換算で前期比4.9%増となりました。4-6月期の2.1%増から伸びが加速し市場予想も上回りました。9月の米耐久財受注額も前月比4.7%増となり市場予想を上回りました。9月の米中古住宅仮契約指数も前月比1.1%上昇の72.6となり市場予想を上回っています。一方で先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比1万件増の21万件となり市場予想以上に悪化しました。また、欧州中央銀行(ECB)は理事会で11会合ぶりとなる利上げの見送りを決めています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち8業種が下げ、コミュニケーション・サービスと情報技術が2%を超える下落となったほか、一般消費財・サービスも1%以上下げました。一方で不動産と公益事業、素材の3業種が上げ、不動産は2%以上上昇しています。

4.個別銘柄動向

フェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ[META]が3%を超える下落となりました。決算は市場予想を上回る増収増益となりましたが、説明会で中東情勢の悪化が企業の広告支出の鈍化につながっていると指摘したことで売りが優勢となりました。他の主力ハイテク株にも売りが波及し、マイクロソフト[MSFT]が4%近く下げダウ平均構成銘柄で下落率トップとなったほか、テスラ[TSLA]も3%以上下げました。アップル[AAPL]とグーグルの持ち株会社であるアルファベット[GOOGL]も2%を上回る下落となり、ネットフリックス[NFLX]も2%近く下げています。半導体株の一角も安く、旧東芝メモリのキオクシアホールディングスとの統合交渉を打ち切ったと伝わったウエスタン・デジタル[WDC]が9%を超える下落となり、エヌビディア[NVDA]も3%以上下げています。アドバンスト・マイクロ・デバイシズ[AMD]とマイクロン・テクノロジー[MU]も2%を超える下落となっています。一方でIBM[IBM]は決算で売上高などが市場予想を上回ったことから5%近く上げダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなっています。

5.為替・金利等

長期金利は0.11%低い4.84%となりました。ドル円は150円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安を受けて軟調なスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が下げ渋り節目の30,500円を維持できるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)