モトリーフール米国本社、2023年10月17日 投稿記事より

主なポイント

・リチウム需要がアルビマール[ALB]の株価を押し上げるか
・ネクステラ・エナジー[NEE]の株価下落は行き過ぎにみえる
・テスラ[TSLA]の長期的な成長見通しは、今後も輝き続けるだろう

これらのグロース銘柄は、魅力的なリターンを生み出す可能性がある

S&P500指数は長年にわたり、魅力的な資産形成ツールとなってきました。リターンは年によって大きく変動しますが、長期的には年平均約10%のリターンを上げています。

多くの投資家が代表的な指数であるS&P500指数を上回るリターンを得ることを目指しています。しかし、ウォーレン・バフェット氏はかつて、長期的に市場に勝つことがいかに難しいか、ヘッジファンド・マネジャーに示してくれたことがあります。

だからといって、挑戦できないわけではありません。S&P500指数を常に上回るパフォーマンスを上げるのは簡単ではありませんが、個別銘柄、特に魅力的な価格で取引されている素晴らしい企業は、時に大きなリターンを生み出すことがあります。

S&P500を上回る可能性のある魅力的な個別銘柄とその理由

市場全体を広く見渡し、その中から、S&P500指数をアウトパフォームする可能性がある3銘柄を紹介します。

アルビマール[ALB]

自動車業界が電気化していることは明らかであり、投資家は電気自動車(EV)メーカーに群がっていますが、EVに必要な部品を見落としてはいけません。その一例が、EVを動かすバッテリーに欠かせないリチウムです。アルビマール[ALB]は特殊化学企業で、世界最大のリチウム生産会社の1つです。

リチウムに対する旺盛な需要が、アルビマールの事業を後押ししています。同社の2023年のリチウム販売量は前年比で30~40%増加する見通しで、その後も2027年にかけて年平均20~30%の伸びが見込まれます。同社はフォード・モーター[F]と2026~2030年の供給契約を締結しているため、リチウムは今後もアルビマールの事業を押し上げるのではないでしょうか。

収益についても同様の成長が見込まれます。アナリストはアルビマールの2023年の1株当たり利益(EPS)を25.69ドルと予想しており、予想株価収益率(PER)はわずか6.6倍です。収益については今後3~5年間で年平均11.7%の成長が予想されており、リチウム需要が予想通りに推移すれば、利益予想も達成可能ではないかと思われます。

これらの予想に基づくと、株価の割高感を測るPEGレシオは約0.6となり、今後の成長性に対して割安であることを示しています。魅力的なバリュエーションと2桁成長を踏まえると、素晴らしい投資のリターンが期待できるかもしれません。

ネクステラ・エナジー[NEE]

再生可能エネルギーは、今やエネルギーセクターにおける手強い競争相手です。公益企業のネクステラ・エナジー[NEE]は、世界最大クラスのグリーンエネルギー生産会社でもあります。

低金利時代の安い借り入れを利用し、ネクステラ・エナジーは積極的に事業に投資しています。その結果、過去10年間に平均10%の増配と、市場を上回るトータルリターンを実現してきました。

しかし、ネクステラ・エナジーに対するセンチメントは2023年には冷え込んでいます。金利の上昇に伴って借り入れコストが高くなっているためです。子会社のネクステラ・エナジー・パートナーズ[NEP]は先日、金利上昇を理由に業績見通しを下方修正しました。ネクステラ・エナジーの株主はこれを嫌気し、親会社も10月末に予定されている決算発表で業績見通しを下方修正するのではないかと懸念しています。ネクステラ・エナジーの株価は高値から40%超下落しており、2020年のコロナ禍で付けた安値付近で取引されています。

では、ネクステラ・エナジーに対する強気の理由は何でしょうか。確かに、このところの売りは過剰反応かもしれません。アナリストは同社の利益について、今後数年間で年平均8%の成長を予想しています。株価下落に伴って配当利回りは3.5%となっており、魅力的な買い場かもしれません。

とはいえ、ネクステラ・エナジーは金利へのエクスポージャーから、高リスク銘柄でもあります。金利の高止まりが続けば、長期的な成長は鈍化する可能性があります。それでも、足元の株価下落は、実績ある成長銘柄に対する押し目買いのチャンスかもしれません。

テスラ[TSLA]

輸送の電気化が進む中、テスラ[TSLA]は量産型EVのパイオニアとして直接的な役割を果たしています。こうしたリーダーシップにより、株価は過去10年間に2,000%超上昇しており、長期投資家たちに人生を変えるほどの驚異的なリターンをもたらしています。

しかし、テスラの旅はまだ終わりそうにありません。世界中の道路を見渡すと、EVは依然として少数派であり、発売間近のCybertruckは、これまでにない新しい製品カテゴリーのモデルです。

株価は予想PER 76倍と決して割安ではなく、また、複数のモデルに対する値下げを受けて、アナリストは利益成長率予想を年平均20%に引き下げています。PEGレシオは4に近く、利益成長に対して割高であることを示しています。

しかし、長期的に多くのビジネスチャンスがあるという点で、テスラはユニークな存在です。既存モデルの販売台数は伸び続ける見通しであり、CybertruckやTesla Semiといった新しいセグメントもあります。

テスラはまた、自動運転技術など、人工知能(AI)の分野でも強大なプレーヤーです。さらに、エネルギー貯蔵事業は、2023年第2四半期の導入量が前年同期比222%増に拡大しました。そのため、短期的なリターンは分かりませんが、長期的には、今後も市場を上回るパフォーマンスが期待されます。

免責事項と開示事項  記事は一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者Justin Popeは、記載されているどの企業の株式も保有していません。モトリーフール米国本社はネクステラ・エナジー、テスラの株式を保有し、推奨しています。モトリーフールは情報開示方針を定めています。