モトリーフール米国本社 – 2025年3月22日 投稿記事より
最近の市場低迷に逆行する成長株を探しているなら、グローバルな成長が期待できる健康志向の挑戦者がぴったり
2025年の株式市場では、多くの優良銘柄の株価が下落しています。その結果、代表的な指標であるS&P500指数は2月の史上最高値から7%超下落し、多くの投資家がリスクの高い成長株から手を引いています。
しかし、ウォール街全体が冷や水を浴びたわけではありません。今年、いくつかの優れた成長株は実際に急上昇しています。そうした銘柄が本格的に飛躍する前に、少しだけでも株を購入することを検討すべきかもしれません。
例えば、機能性エナジー・ドリンクのセルシウス・ホールディングス[CELH]は現在、長期投資対象として非常に魅力的に見えます。ただし、成長途上で起こり得る波乱には、忍耐強く対応する必要があるかもしれません。2025年3月20日時点で、この銘柄の株価は年初来17.8%上昇しており、株式分割(2023年11月)を実施した後の、昨年夏の急落後安値から46.8%上昇しています。
セルシウスがエナジー・ドリンク市場を揺るがしている
セルシウスの株価が2025年、あるいは来年に上昇するとは断言できません。しかし、このエナジー・ドリンク業界の挑戦者は健康志向で対抗し、大きな反響を得ているようです。モンスター・ビバレッジ[MNST]とレッド・ブル(非上場)という伝統的な二強に、間もなく3つ目の強力な競争相手が加わるかもしれません。
もちろん、セルシウスはそこまで成功したわけではありません。昨年は困難な年で、流通パートナーのペプシコ[PEP]が数ヶ月間にわたりセルシウスへの発注を控えました。その結果、米国のエナジー・ドリンク市場でのシェアは2023年末の8.1%から2024年第4四半期には7.3%に縮小しました。海外売上が前年比39%増加したにもかかわらず、第4四半期の総売上高は前年比4%減少しました。
これがセルシウスの長期的価値の鍵となる点です。直近四半期決算では、海外売上は総売上高のわずか6.1%を占めるにすぎませんが、前年同期の4.2%から上昇しました。経営陣は海外展開の機会を模索し始めたばかりです。
先週、フランス、アイルランド、英国、オーストラリア、ニュージーランドに続き、ベネルクス地域を販売ターゲットに加えました。カナダは何年も小規模ながらターゲット市場となっています。
同社はグローバル戦略をゆっくりと練っています。まだ手つかずの潜在的に有望な地域が多く、セルシウスが進出済みの地域でも、販売拡大や地元でのマーケティングの余地が残されています。
セルシウスは、ライバルであるレッド・ブルやモンスター・ビバレッジとは異なる視点から海外展開の機会を模索しています。
・レッド・ブルは、ほとんどの国で現地生産と配送施設を備えた世界クラスの自社流通ネットワークを運営
・モンスター・ビバレッジは、ソフトドリンクの大手であるコカ・コーラ[KO]をグローバル・パートナーに持ち、コカ・コーラの世界的な流通の専門知識を活用
・セルシウスとペプシコとの契約は、現在のところ、米国とカナダのみを対象としており、セルシウスの流通マップにあるその他の国々は、日本の飲料大手、サントリー食品インターナショナル(2587)が管理
セルシウスは、多様なパートナーシップを築いています。ペプシコやサントリーが適合しない地域では、地元の有力企業と流通契約を結ぶ可能性がある点が注目されます。同社のグローバル戦略には単一の戦略に縛られないある程度の自由度があります。
アラニ・ニュートリションがセルシウス・グループにもたらすもの
そして、経営陣は助けを求めることを恐れていません。女性をターゲットとするエナジー・ドリンクやサプリメントを展開するアラニ・ニュートリションを16億5,000万ドルで買収するプロセスが、現在、進行中です。この買収は、セルシウスが女性向けエナジー・ドリンク市場という成長中のカテゴリーに取り組むのに役立つでしょう。アラニ・ニュートリションは、焦点を絞ったマーケティング・アプローチと独自のフレーバー・ポートフォリオを有しています。
国際的な成長ストーリーの実現には時間がかかりそうです。株価はその間に不安定になる可能性があります。しかし、長期的には、海外市場が国内事業に匹敵するほど成長すると期待されます。海外市場は大きく、モンスター・ビバレッジの海外売上高は、2024年には総売上高の41%を占め、2年前の39%から拡大しています。
まとめると、セルシウスの米国での成長ストーリーは魅力的であり、国際的にも有望なオペレーターです。その健康志向のブランドは、女性に特化したアラニ・ニュートリションの事業と見事に調和し、明確に定義されたニッチ市場で成功する態勢が整っています。途中浮き沈みがあるかもしれませんが、最終的には力強い結果が期待できるでしょう。
免責事項と開示事項 記事は一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者Anders Bylundは記載されたどの銘柄の株式も保有していません。モトリーフール米国本社はセルシウス・ホールディングスとモンスター・ビバレッジの株式を保有し、推奨しています。モトリーフール米国本社は情報開示方針を定めています。