【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 33,804.87 △65.57 (10/11)
NASDAQ: 13,659.68 △96.83 (10/11)
1.概況
米国市場は米卸売物価指数(PPI)の伸びが鈍化し長期金利が低下したことから4日続伸となりました。82ドル高でスタートしたダウ平均は直後に143ドル高まで上昇した後伸び悩むとまもなくしてマイナスに転じ午後に入ると127ドル安まで下落しました。しかし、その後持ち直すと引けにかけてプラスに転じ結局65ドル高の33,804ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も96ポイント高の13,659ポイントとなっています。
2.経済指標等
9月の米卸売物価指数(PPI)は前月比0.5%上昇し市場予想を上回りました。しかし、前月から伸びは鈍化しています。また、9月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では大多数の参加者が今後の会合でもう1回追加利上げすることが適切になるだろうとみていることが分かりました。その一方で何人かは利上げをしないことが正当化されるかもしれないとの見解だったことも明らかとなりました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち8業種が上げ、不動産が2%高となったほか、公益事業とコミュニケーション・サービス、情報技術も1%以上上昇しています。一方でエネルギーと生活必需品、ヘルスケアの3業種が下げ、エネルギーは1%を超える下落となりました。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄ではアムジェン[AMGN]が4%を超える上昇となったほか、ボーイング[BA]とインテル[INTC]、マイクロソフト[MSFT]、ナイキ[NKE]も1%以上上げました。一方でシェブロン[CVX]が3%以上下げ、ジョンソン・エンド・ジョンソン[JNJ]とプロクター・アンド・ギャンブル[PG]も1%を超える下落となりました。ダウ平均構成銘柄以外では主力ハイテク株の一角が堅調でグーグルの持ち株会社であるアルファベット[GOOGL]とアマゾン・ドット・コム[AMZN]、フェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ[META]が2%近く上昇しています。また、半導体株の一角も高くエヌビディア[NVDA]とウエスタン・デジタル[WDC]が2%以上上げています。エクソンモービル[XOM]はシェール大手のパイオニア・ナチュラル・リソーシズ[PXD]を595億ドルで買収すると発表したことから財務負担を懸念した売りが出て3%を超える下落となっています。
5.為替・金利等
長期金利は0.10%低い4.55%となりました。ドル円は149円台前半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株高を受けて堅調なスタートが予想されます。9月の米消費者物価指数(CPI)の発表を今晩に控え様子見となりやすいなかで日経平均が節目の32,000円を回復できるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)