【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 33,002.38  ▼430.97 (10/3)
NASDAQ: 13,059.47  ▼248.31 (10/3)

1.概況

米国市場は8月の米雇用動態調査(JOLTS)で求人件数が市場予想を上回ったことで金融引き締めが長引くとの観測が強まり長期金利が上昇したことから大幅続落となりました。ダウ平均は114ドル安でスタートすると朝方に34ドル安まで持ち直す場面もありました。しかし、戻し切れないと下げ幅を広げ取引終盤には517ドル安まで下落しました。その後引けにかけてやや持ち直しましたが、上値は重く結局430ドル安の33,002ドルで取引を終え3日続落となりました。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も248ポイント安の13,059ポイントと5日ぶりに反落となっています。

2.経済指標等

8月の米雇用動態調査(JOLTS)で非農業部門の求人件数は69万件増の961万件となり市場予想を上回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち10業種が下げ、一般消費財・サービスが2%を超える下落となったほか、不動産と情報技術も2%近く下げました。また、金融とコミュニケーション・サービスも1%以上下落しています。一方で公益事業が1%以上上げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄では30銘柄中22銘柄が下げました。そのなかでもゴールドマン・サックス[GS]が4%近く下落したほか、アメリカン・エキスプレス[AXP]も3%近く下げました。ホーム・デポ[HD]とマイクロソフト[MSFT]、ウォルト・ディズニー[DIS]も2%以上下落しています。ダウ平均構成銘柄以外では主力ハイテク株が安く、アマゾン・ドット・コム[AMZN]が3%を超える下落となり、テスラ[TSLA]とフェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ[META]も2%前後の下げとなりました。半導体関連株も軟調で半導体株ではアドバンスト・マイクロ・デバイシズ[AMD]が3%余り下落し、エヌビディア[NVDA]も3%近く下げました。また、半導体製造装置関連株ではラム・リサーチ[LRCX]が2%安となり、アプライド・マテリアルズ[AMAT]とKLA[KLAC]も2%近く下落しています。さらにレイオフ(一時解雇)の拡大で全米自動車労組[UAW]のストライキが長期化すると懸念が強まりゼネラル・モーターズ[GM]とフォード・モーター[F]が売られました。ゼネラル・モーターズが3%を超える下落となり、フォード・モーターも2%近く下げています。

5.為替・金利等

長期金利は8月の米雇用動態調査(JOLTS)で求人件数が市場予想を上回ったことで0.11%高い4.79%となりました。一時は4.81%まで上昇し2007年8月上旬以来の高水準を付ける場面もありました。ドル円は一時150円台前半まで円安となりましたが、その後は急速に円買い・ドル売りが進み147円台まで円高となる場面もありました。朝方は149円近辺での推移となっています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は節目の31,000円を割り込みそうで、朝方の売り一巡後に下げ渋るような動きをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)