今日は終戦、もしくは敗戦の日。第二次世界大戦の終結した日の認識は、世界的には9月2日か9月3日の方が普通で、8月15日を記念日と認識しているのは日本だけのようですが、日本人的に戦争が終わったのは、玉音放送が流れた8月15日なのでしょう。
私の父は昭和9年の下町生まれ、下町育ちだったので、空襲も多く受けていましたし、ベーゴマで遊ぶ時は強いコマを持っている子はコマをB29と呼び、弱いコマは紫電改などと呼んでいたそうで、子供ながらに戦争に勝てっこないと思っていたようで、戦争が終わった時、即ち8月15日は、空がようやく青く澄み切ったと感じたそうです。昭和5年生まれの野坂昭如さんも著作の中で同じようなことを書いています。子供にとって、初めて未来に対する希望が持てたのでしょう。
その終戦から78年。第二次大戦後の年月が、大政奉還から終戦までの年月を超えました。人権と同じく、平和も自然と当たり前に存在しているものではなくて、先人達が努力と、時に格闘の末、勝ち取ったものです。そしてそれは、不断の努力を注ぎ込んでいかないと、維持されなくて、いずれなくなってしまうものだと危惧します。
現在の世界情勢は、或いは日本を取り巻く状況は、戦争の可能性が、例えそれがとても低いものだとしても、以前よりは高くなっているように感じます。大戦の生の記憶が薄れて来ていることが、世界の流れと関係があるかも知れません。どうやったら記憶を風化させないことが出来るか。簡単な問題ではなく、とても大きな問題だと思いますが、私は私なりに考えていきたいと思います。