今日は11月第3木曜日。ボジョレー・ヌーヴォー解禁日です。「ボジョレー・ヌーヴォー」という単語は、日本で誰もが一度は耳にしたことがあるほど浸透しています。スーパーマーケットやデパートでは、解禁日を祝うような華やかな販促POPが並び、多くの人がそのイベント感に誘われて購入した経験があるのではないでしょうか。ワイン業界のマーケティングやブランド戦略において、これ以上の成功例を見つけるのは難しいかもしれません。ボジョレー・ヌーヴォーが一時期のブームにとどまらず、日本のワイン文化を広める大きな役割を果たしたことは間違いないと思われます。ただ、最近ではその熱狂も少し落ち着き、消費者の嗜好が成熟し、多様なワインへと関心が広がっているようにも感じます。
それでも、日本のワイン消費量は1人当たり年間3リットル程度、つまり年間4本程度にとどまっているそうです。一方、ワインの本場フランスでは、日本の15倍の約61本(2020年時点)ものワインを消費しているとのこと。この差は驚くべきものです。ちなみに、私の場合、その時の食事にもよりますが、1週間で2~3本のワインを楽しむペースですから、年間にすると100~150本くらいは飲んでいる計算になります(数えたことはないです)。おそらく周囲のワイン愛好家たちも似たようなものと思いますが、日本全体の消費量を押し上げるべく、これからも微力ながらワイン業界に貢献していきたいと思います(笑)。
私がワインを好きな理由の一つは、ワインが人とのつながりを生む潤滑油になっていると感じるからです。2012年にワインスクールに通い、ワインエキスパートの資格(ソムリエと同等のワイン愛好家向け資格)を取得したのも、仕事以外の人とのつながりを広げたいという思いからでした。それから多くの人と出会い、共通の話題としてワインが会話を広げる場面を何度も体験しました。海外の会食でも、「どんなワインが好きですか?」と話が始まり、そこから趣味や文化の違いまで語り合うこともできます。まさに今週も香港・シンガポールに出張しており、昨晩もシンガポールでの会食で、同じようにワインをきっかけに豊かな交流が生まれました。
ボジョレー・ヌーヴォー解禁日の今日、あえてボジョレー・ヌーヴォーを飲む予定はありませんが、これからも、ワインを通じて国内外の人々とのつながりを大切にし、その輪を広げていきたいと思います。ワインが生む人との絆、これこそが、私にとっての最高のヴィンテージです。