日経平均は戻りを試す展開が続くのか?
先週は中銀ウイークで、金融政策の結果と株価の反応が注目されましたが、日銀の金融政策が発表された7月28日は下向きの25日移動平均線が上値の抵抗になって売り込まれる場面がありました。
しかし、終わってみれば下ヒゲ陽線を形成するとともに、5日と25日移動平均線をわずかに上回って終えているのが分かります。
そして、翌営業日となる7月31日には窓をあけて上昇して始まり、明確に5日移動平均線と25日移動平均線を上回る結果となりました。
また、窓をあけて上昇して終えたことから、5日移動平均線が25日移動平均線を上回るゴールデンクロスが発生するとともに、翌営業日も株価水準を切り上げる展開となっているのが分かります。
このような状況からリターンムーブが打ち消される状況になっており、このまま5日移動平均線上を維持できるかが注目されます。
5日移動平均線上を維持するようですと、7月3日につけた高値に接近したり、上回ったりすることが視野に入りますが、5日移動平均線上を維持できずに割り込んだり、割り込んだまま戻せなくなったりするようですと、25日移動平均線辺りまで下落したり、割り込んだりすることが考えられ、株価のトレンド転換に注意が必要になるのではないかと思われます。
モメンタムやシグナルの動きに注意
そのような中、上昇と下落の勢いを教えてくれるモメンタムを見るとどうでしょうか?
前回のコラムでは「仮にモメンタムとシグナルの上昇がこのまま続くようですと、25日移動平均線を突破して、リターンムーブを打ち消して高値に接近したり、上回ったりすることが期待されます」と解説しました。
モメンタムとその移動平均線であるシグナルを見ますと、2本線ともに上昇と下落の勢いの判断の分かれ目となる0ラインを上回った水準で上向きを続けているとともに、解説した通り5日と25日移動平均線を上回って推移しているのが分かります。
そのため、今週は2本線の上昇が続くかが注目ポイントになると思われます。仮に2本線の上昇が続くようですと、5日移動平均線上を維持するとともに、7月3日の高値への接近や、再び年初来高値と33年ぶりの高値を更新することが期待されます。しかし、2本線が下向きに変化して低下したりするようですと、5日移動平均線上を維持できずに割り込んだり、接近する25日移動平均線も下回ることが考えられるため、損失の発生や拡大に注意する必要があります。
特に低下が続いた場合に注意が必要なのが、上昇と下落の勢いの判断の分かれ目となる0ラインを割り込んでしまうかどうかです。
0ライン上で低下が止まり、上向き変化するようですと押し目を形成することが期待されますが、2本線ともに0ラインを割り込んで低下が続くようですと、25日移動平均線を割り込んで戻せなくなることが考えられます。そのため、モメンタムとシグナルの向きや水準に注意が必要な状況と思われます。