【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 29,490.89 △765.38 (10/3)
NASDAQ: 10,815.44 △239.82 (10/3)
1.概況
米国市場は長期金利の低下が好感されたことに加え、米ISM製造業景況感指数が市場予想を下回り2年4ヶ月ぶりの低水準となったことで米連邦準備制度理事会(FRB)による金融引き締めペースが減速するとの期待が出て3日ぶりに大幅反発となりました。129ドル高でスタートしたダウ平均は昼前に700ドル高余りまで上昇した後一旦伸び悩みましたが、取引終盤に一段高になると一時は922ドル高まで上昇しました。その後引けにかけてやや上げ幅を縮めたダウ平均ですが結局765ドル高の29,490ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も239ポイント高の10,815ポイントとなっています。
2.経済指標等
9月の米ISM製造業景況感指数は50.9と前月から低下し市場予想を下回り、2020年5月以来2年4ヶ月ぶりの低水準となりました。8月の米建設支出も年率換算で前月比0.7%減となり市場予想を下回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は11業種全てが上げました。そのなかでもエネルギーが5%を超える上昇となったほか、素材と情報技術、資本財・サービスも3%以上上げました。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄はジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)を除く29銘柄が上げました。そのなかでも原油価格の上昇を受けてシェブロン(CVX)が5%を超える上昇となったほか、インテル(INTC)とキャタピラー(CAT)、ボーイング(BA)も4%以上上げています。また、アメリカン・エキスプレス(AXP)とハネウェル・インターナショナル(HON)、マイクロソフト(MSFT)、ウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)、シスコシステムズ(CSCO)、ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)、JPモルガン・チェース(JPM)、アップル(AAPL)、ダウ(DOW)も3%を上回る上昇となりました。
ダウ平均構成銘柄以外では、半導体株が高くアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)とウエスタンデジタル(WDC)が4%以上上げ、マイクロン・テクノロジー(MU)とエヌビディア(NVDA)、クアルコム(QCOM)、テキサス・インスツルメンツ(TXN)も3%を超える上昇となっています。さらにウェルズ・ファーゴ(WFC)が投資判断と目標株価の引き上げを受けて3%以上上げています。一方で7-9月期の世界の販売台数が市場予想を下回ったことで電気自動車のテスラ(TSLA)が8%を超える下落となっています。
5.為替・金利等
長期金利は、英国政府が所得税の最高税率の引き下げ案を撤回したことで財務悪化の懸念が後退し英長期債が買い直された流れを受けて0.19%低い3.64%となりました。ドル円は144円台半ばで推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は節目の26,500円を超えて上げ幅を広げることになりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)