75日移動平均線が上向きに変化して上昇中だが…

日経平均は上値が重たい値動きが続いていますが、安値も限定的となっており、トレンドがはっきりしません。そうした中、前回のコラムでは、75日移動平均線が上向きに変化してサポートになるかどうかが注目ポイントとしましたが、実際にどうなったのかをみましょう。

チャート上に示した期間は11月26日から数えて75日前を示したものになります。前回解説した通り、8月2日から5日にかけて暴落した期間が外れ、直近の株価と入れ替わったことから、75日移動平均線が上向きに変化しているのが分かります。

このように、移動平均線が上向きに変化することがあらかじめ予測できたわけです。この方法を使って今後の動向を予測した場合、今サポートになっている75日移動平均線の向きはどのように変化していくのでしょうか?

私の予測では、これからも75日移動平均線の上昇がしばらく続くと思われます。しかし、75日移動平均線上を維持できずに割り込み、38,000円を下回ってしまうと、株価水準次第では75日移動平均線が下向きに変化することが考えられます。したがって、底堅いように見えても、株価が横ばいで推移している間は警戒が必要になることを覚えておきましょう。

【図表】日経平均株価(日足)
出所:i-chartより株式会社インベストラスト作成 
※移動平均線は5日、75日、200日を表示

モメンタムとシグナルの両方が0ラインを下回って低下中

一方で、上昇と下落の勢いを教えてくれるモメンタムを見ると、上昇と下落の勢いの判断の分かれ目となる0ラインを下回っているのが分かります。そのため、モメンタムとその移動平均線であるシグナルの両方が上下どちらに動き出すかが注目ポイントになりそうです。

仮に、モメンタムとシグナルの両方が上昇して0ラインを上回って維持するようなら、75日移動平均線上を維持し、200日移動平均線などすべての移動平均線を上回って4万円に接近することが期待されます。しかし、その反面、2本線が低下して水準を切り下げるようなら、75日移動平均線上を維持できなくなり、割り込むとともに下落の勢いが強まることが視野に入りそうです。

また、そのときに38,000円を割り込んでしまうようなら、75日移動平均線が下向きに変化して上値の抵抗になることが考えられます。そのため、モメンタムとシグナルの両方が上昇して0ラインを上回って上昇を続けるまで油断は禁物ということになります。

底堅いように見える日経平均ですが、今の底堅さが崩れる可能性をチャートは示唆しているため、注意しておきたいところです。