【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 29,683.74  △548.75 (9/28)
NASDAQ: 11,051.64  △222.13 (9/28)

1.概況

米国市場は長期金利の低下を受けて大幅上昇となりました。69ドル高でスタートしたダウ平均は朝方にマイナスとなる場面もありましたが、20ドル安で下げ渋るとまもなくして買いが優勢となり大きく上げ幅を広げる展開となりました。昼過ぎに530ドル高余りまで上昇した後一旦伸び悩みましたが、取引終盤に一段高になると一時は676ドル高まで上昇しました。その後ダウ平均は引けにかけてやや上げ幅を縮めたものの結局548ドル高の29,683ドルで取引を終え7日ぶりに反発となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は222ポイント高の11,051ポイントとなり続伸となりました。

2.経済指標等

8月の中古住宅販売仮契約指数は前月比2.0%低下の88.4となり市場予想を下回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は11業種全てが上げました。そのなかでもエネルギーが4%を超える上昇となったほか、コミュニケーション・サービスも3%以上上げました。また、一般消費財・サービスと素材、資本財・サービス、ヘルスケアも2%を上回る上昇となっています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄では30銘柄中28銘柄が上げました。そのなかでもホーム・デポ(HD)が大型ハリケーンによる特需を期待した買いで5%高となったほか、台湾の中華航空が主力中型機「787ドリームライナー」を最大24機発注したことでボーイング(BA)も4%を超える上昇となりました。また、ウォルト・ディズニー(DIS)とシェブロン(CVX)、キャタピラー(CAT)、ゴールドマン・サックス(GS)も3%以上上げています。一方で新型iPhone14の増産を見送るようだと伝わったアップル(AAPL)が1%を超える下落となっています。

ダウ平均構成銘柄以外では、バイオ製薬のバイオジェン(BIIB)がエーザイ(4523)と共同開発するアルツハイマー型認知症治療薬「レカネマブ」の第3相の臨床試験で進行を抑える効果を確認したと発表したことで急騰し40%近く上げました。動画配信のネットフリックス(NFLX)も投資判断と目標株価の引き上げを受けて9%を上回る上昇となっています。さらに他の主力ハイテク株も高く、フェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ(META)が5%以上上げ、アマゾン・ドット・コム(AMZN)も3%を超える上昇となりました。

5.為替・金利等

長期金利は0.21%低い3.73%となりました。英イングランド銀行が金融市場安定化のために英長期国債の一時的な買い入れを発表したことで英長期金利が急低下し、米長期債にも買いが波及しました。ドル円は144円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は220円程度とみられる配当落ちを埋めてさらに上値を伸ばすことになりそうで、節目の26,500円を回復できるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)