東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は大幅続伸となりました。26円安の26,690円で寄り付いた日経平均は直後に175円安の26,541円まで下落しましたが、切り返すとまもなくしてプラスに転じ上げ幅を広げ前引け間際に278円高の26,995円まで上昇し264円高の26,981円で前場を終えました。さらに上げ幅を広げ308円高の27,025円と節目の27,000円を上回ってスタートした後場の日経平均は13時前に417円高の27,134円まで上昇した後14時20分に246円高の26,963円まで上げ幅を縮めましたが、その後引けにかけてやや戻すと結局284円高の27,001円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も高く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇し、東証マザーズ指数は3.7%高となっています。
2.個別銘柄等
先週末の引け後に第3四半期決算を発表したアルプスアルパイン(6770)が17.4%高となりました。米アップルのスマホなどに採用されているピント調節部品(アクチュエーター)やスイッチなどの部品の販売が伸びていることなどから通期の営業利益の見通しを280億円から市場予想を上回る305億円に引き上げたことで買いを集めました。
昼休み時間中に第3四半期決算を発表した商船三井(9104)も9.6%高となりました。旺盛な輸送需要を背景にコンテナ船事業で運賃が想定を上回っていることなどから通期の経常利益の見通しを4800億円から市場予想を上回る6500億円に上方修正したことで後場に一段高となりました。また、日本郵船(9101)や川崎汽船(9107)にも買いが波及し、日本郵船が7.2%高、川崎汽船も8.8%高となりました。
さらにゾゾタウンを運営するZOZO(3092)も新型コロナウイルス禍で電子商取引(EC)需要が堅調だったことなどから第3四半期の純利益が過去最高となったことで8.0%高となったほか、SCREENホールディングス(7735)も第3四半期3カ月間の半導体製造装置事業の受注高が1015億円、受注残高が1833億円といずれも過去最高となったことから4.6%高となっています。
一方でオムロン(6645)が7.0%安となりました。供給網や物流の混乱による部材不足などで調達コストが膨らんでいることなどから通期の営業利益の見通しを980億円から880億円に下方修正したことで売りが膨らみました。中部電力(9502)も燃料価格の高騰に伴う期ずれ差損の拡大になどにより450億円の黒字を見込んでいた通期の経常損益が500億円の赤字となる見通しとなったことで一時11.5%安となり昨年来安値を更新しています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は284円高となりました。先週末に大幅高となったことから戻り待ちの売りが出て下落して始まりましたが、朝方の売り一巡後に持ち直すと買いが優勢となり先週末の米国市場が大幅高となったこともあって上げ幅を広げ節目の27,000円を回復しました。しかし、先週末に続いて27日の大きな陰線の中での値動きに止まりました。今週は月末月初で重要な経済指標やイベントが目白押しなうえ、決算発表も一段と本格化します。こうしたなかで27日の陰線を上に放れることができるかがポイントとなりそうです。なお、本日も引け後に多くの企業が決算発表を予定しておりコマツ(6301)やTDK(6762)、京セラ(6971)、JR東日本(9020)、JR東海(9022)などが決算を発表する予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)