短期的には上昇継続に期待大。9月期末の需給イベントに注目

今週の東京市場は月末・四半期末、半期末の直前週となります。先週の日米金融イベントを耐え忍んだ結果、9月26日までは大きな材料はありませんが、短期的には上昇継続に期待大です。米国市場で史上最高値を更新したダウ平均やS&P500に高値警戒感が台頭する場合でも、ハイテク株主体のナスダックや半導体株指数(SOX指数)にキャッチアップする動きがみられれば、日本株には追い風になるでしょう。

需給イベントにも注目です。9月期末の配当・優待取り狙いの買いが入りやすいタイミングとなります。また、9月26日の権利付き最終日や9月27日の権利落ち日にはTOPIXをベンチマークとする大口投資家による「配当再投資」に伴う先物買いが入ります。年金資金を運用・管理する信託銀行が、運用ポートフォリオに占める株式資産の配当落ちによる目減りを補うため、機械的にTOPIX先物に買いを入れるからです。ある大手証券では、日経平均で261円、TOPIXでは25.3ポイントの配当落ちを予想しており、パッシブ連動資産がすべて配当落ちに伴う先物買いに動いた場合、日経平均先物で2,000億円弱、TOPIX先物で1兆1,000億円程度の買い需要を予想しています。

9月27日の自民党総裁選を前に2021年の状況を振り返る

権利落ち日の9月27日は、今週の最大の関心事である自民党総裁選に注目が集まります。誰が選ばれても市場の反応は未知数ですが、経済成長を重視する高市早苗経済安保相が次期自民党総裁に選出された場合は、10月に向けてご祝儀相場に発展する可能性が高いでしょう。

2021年の自民党総裁選も9月の権利落ち日でした。当時の状況を振り返ると、配当落ちの影響もあり、日経平均は500円超下げて始まり下げ幅を拡大。アジア株安を横目で見ながら、前場のうちに下げ幅を800円超に広げた後はいったん売り圧力が和らぎ、後場に入るとしばらく模様眺めムードの強い地合いが続きました。総裁選の結果が伝わり、決選投票となることが決まったものの、大方の予想に反して1位となったのは岸田文雄氏。意外と受け止められたか、結果直後に下げ幅を急速に広げ、14時14分にこの日の安値をつける格好となりました。弱い反応は一時的にとどまりましたが、結局は600円を超える下落幅となり、その後は10月6日まで下落が続いた経緯があります。

三波動構成から試算する今後の上値予測

日経平均株価は先週(9月17日週)、200日線上を回復し、9月2日高値(38,700円)が視野に入ってきました。9月2日高値を上回ることができれば、8月5日安値(31,458円)を起点とした上昇二段上げ目(三波動構成)に入ったことが確認できるため、現象面では重要なポイントとなります。そのような展開になると、上値余地は一段と拡大することが予想されます。

三波動構成における上値予測の手法の1つに、一目均衡表のN、V、E、NTの4つの基本計算値があります。これらを用いて試算すると、

N計算値・・・(38,700円-31,458円)+35,619円=42,861円
V計算値・・・(38,700円-35,619円)+38,700円=41,781円
E計算値・・・(38,700円-31,458円)+38,700円=45,942円
NT計算値・・・(35,619円-31,458円)+35,619円=39,780円

となります。今の段階でE計算値は少し無理があるようにみえますが、NT計算値やV計算値は10月12日~13日の変化日向け、意外高といえる水準でもないでしょう。