東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は続落となりました。25円安の27,105円で寄り付いた日経平均は直後にプラスに転じましたが、53円高の27,184円で伸び悩むと直ぐにマイナスとなり10時30分過ぎに272円安の26,858円まで下落しました。しかし、押し目買いが入り節目の27,000円を回復すると107円安の27,024円で前場を終えました。132円安の26,999円でスタートした後場の日経平均は下げ幅を縮めると13時10分過ぎにプラスとなりましたが、上値は重く8円高の27,140円で伸び悩むとまもなくしてマイナスに転じ下げ幅を広げ結局120円安の27,011円で取引を終え昨年来安値を更新しています。一方で新興市場は堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇となっています。

2.個別銘柄等

第3四半期決算を発表した半導体製造装置のディスコ(6146)が3.4%高となりました。ウエハーをチップに切り分けるダイサーや薄く削るグラインダーの需要が堅調で第3四半期の営業利益が会社計画を上回り大幅な増益となったうえ、市場予想を上回る通期の営業利益の見通しを発表したこともあって大幅高となりました。同じく第3四半期決算を発表したオービック(4684)も一時4.1%高となりました。主力の統合基幹業務システムの受注が拡大したほか、ネット経由でシステムを使うクラウドの利用料収入も増加したことなどから第3四半期の営業利益が前年同期比で11.6%増となったことが好感されました。

コメリ(8218)も4.5%高となりました。新型コロナウイルスによる巣ごもり需要の反動が出て第3四半期の営業利益は前年の水準を下回りましたが、通期予想に対する進捗率が91.4%となったことで業績の上振れを期待した買いが入りました。業務スーパーを展開する神戸物産(3038)も一時3.6%高となりました。新規出店の継続やテレビ番組などで話題となったことで2021年12月の売上高が前年同月比11.3%増と高い伸びとなったことで買いが優勢となりました。また、国内大手証券が買いの投資判断を付けたことで任天堂(7974)やコーエーテクモホールディングス(3635)が高く、任天堂が4.4%高、コーエーテクモホールディングスも4.8%高となりました。

一方で出光興産(5019)が9.4%安となりました。出光興産などが運営するベトナムのニソン製油所が財政難で稼働率が低下していると伝わったことで業績への悪影響を懸念する売りが出ました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は120円安となりました。節目の27,000円を割り込んだところでは押し目買いも入り27,000円は維持しましたが、米連邦公開市場委員会(FOMC)を警戒した売りが出て昨年の8月20日に付けた昨年来安値(27,013円)を下回りました。そのため下値への警戒感が一段と高まりそうですが、日本時間の27日午前4時に発表となるFOMCの結果がアク抜けのきっかけとなるかがポイントとなりそうで、声明やパウエル議長の会見で利上げのタイミングや引き締めのペース、バランスシート縮小開始のタイミングなどに関してどのような示唆があるのかが注目されます。

なお、3月決算企業の第3四半期決算発表がスタートしていますが、本日も引け後に日本電産(6594)やファナック(6954)、日東電工(6988)などが決算を発表する予定です。また、26日の米国でもテスラ(TSLA)やインテル(INTC)、ボーイング(BA)などが決算発表を予定しています。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)