東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は大幅反落となりました。121円安の27,466円で寄り付いた日経平均は直後に94円安の27,493円までやや持ち直した後下げ幅を広げると11時過ぎに582円安の27,006円まで下落し561円安の27,027円で前場を終えました。466円安の27,122円でスタートした後場の日経平均は12時40分過ぎに411円安の27,176円までやや戻した後下げ幅を広げると14時過ぎに697円安の26,890円まで下落しましたが、押し目買いが入り節目の27,000円を回復すると引けにかけて下げ幅を縮め結局457円安の27,131円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も安く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って昨年来安値を更新し、東証マザーズ指数は4.8%安となっています。

2.個別銘柄等

日経平均が大幅安となるなか指数寄与度の大きい銘柄に大きく下げるものが目立ち、ソフトバンクグループ(9984)が5.3%安、東京エレクトロン(8035)が2.7%安、リクルートホールディングス(6098)が7.6%安、アドバンテスト(6857)が3.7%安、信越化学工業(4063)も3.2%安となりました。ソフトバンクグループは昨年来安値を更新し、この5銘柄で日経平均を210円押し下げています。また、オイシックス・ラ・大地(3182)も9.9%安となり昨年来安値を更新しました。2021年8月に神奈川県に新設した物流センターへの移転作業でトラブルが発生し配送の遅延や見送りが発生していると発表したことで売りが膨らみました。日本M&Aセンターホールディングス(2127)も12.2%安となり昨年来安値を更新しました。子会社のM&A仲介の売上高の計上時期に不適切な事例が見つかり調査しているため第3四半期の決算発表を延期すると発表したことで売りがかさみました。

一方でしまむら(8227)が一時2.5%高となりました。全国各地で強い冷え込みが続いたことで肌着や靴下、寝具や靴などで冬物の売り上げが伸びたことから1月の既存店売上高が前年同月比10.7%増と高い伸びとなったことが好感されました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は457円安となりました。昨日の米国市場が小幅な上昇に止まるなかウクライナでの地政学リスクや米連邦公開市場委員会(FOMC)を警戒した売りが出ました。時間外の米株価指数先物が下げ幅を広げたこともあって一時は700円近く下げ昨年の8月20日に付けた昨年来安値(27,013円)を下回る場面もありましたが、節目の27,000円を割り込んだところで押し目買いが入り下げ渋ると昨年来安値を上回って取引を終えています。下値への警戒感が強まるなかで明日以降も引き続き昨年来安値を維持できるかがポイントとなりそうです。

なお、3月決算企業の第3四半期決算発表が始まりますが、本日は引け後にオービック(4684)や ディスコ(6146)などが決算を発表する予定です。また、25日の米国でもマイクロソフト(MSFT)やジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)、アメリカン・エキスプレス(AXP)、ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)、テキサス・インスツルメンツ(TXN)などが決算発表を予定しています。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)