東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は小幅に反発しました。263円安の27,258円で寄り付いた日経平均は取引開始から40分余りで318円安の27,203円まで下落しましたが、押し目買いが入ると11時前に99円安の27,423円まで持ち直し151円安の27,371円で前場を終えました。107円安の27,415円でスタートした後場の日経平均は下げ幅を縮め13時30分過ぎにプラスに転じると14時30分過ぎに105円高の27,627円まで上昇しましたが、その後伸び悩み引けにかけてやや上げ幅を縮めると結局66円高の27,588円で取引を終えています。一方で新興市場は安く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って下落し、日経ジャスダック平均は昨年来安値を更新しています。

2.個別銘柄等

キヤノン(7751)が一時3.4%高となりました。在宅勤務が定着したことで個人向けプリンターが伸びることや、原材料価格の高騰を工場の自動化や部品の内製化でのコスト削減や値上げで吸収し2022年12月期の純利益が増益を確保し、市場予想を上回る2400億円前後になると伝わったことで上げ幅を広げる場面がありました。AGC(5201)も3.0%高となりました。建材に使う塩化ビニール樹脂など化学品の販売が好調なことや、売価の上昇で採算が改善することなどから2021年12月期の営業利益が従来予想を50億円ほど上回り前期比2.7倍の2050億円程度になったと伝わったことで買いが優勢となりました。また、下落が続いていた大手海運株に買い戻しが入り日本郵船(9101)が3.5%高、商船三井(9104)が3.9%高、川崎汽船(9107)も6.2%高となりました。

一方で三井海洋開発(6269)が20.8%下落しストップ安となりました。海洋資源開発に使う洋上設備で修繕費が想定よりも膨らむうえ、建設中の設備の操業遅れなどもあり2021年12月期の経常損益の見通しを45億円の赤字から300億円の赤字に引き下げたことで売りが膨らみました。また、アンリツ(6754)が投資判断と目標株価の引き下げを受けて一時5.0%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は66円高となりました。動画配信のネットフリックス(NFLX)が急落し他のハイテク株に売りが広がったうえ、景気敏感株にも売りが出て先週末の米国市場が大幅続落となったことで売りが先行し一時は300円以上下げました。しかし、押し目買いが入り下げ渋ると時間外の米株価指数先物が堅調に推移していたこともあって後場に入ってプラスに転じました。今週は米連邦公開市場委員会(FOMC)が予定されているうえ、3月決算企業の第3四半期決算発表もスタートします。FOMCや決算発表が相場反転のきっかけとなるかがポイントとなりそうです。

なお、日本時間の23時45分には1月の米PMI速報値が発表されるほか、24日の米国ではIBM(IBM)などが決算を発表する予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)