2021年は皆さんにとって、どのような1年だったでしょうか。コロナ禍で先行きが不透明な状況の中、外出自粛やリモートワークの定着などによって、人との接し方にも変化があり、コミュニケーションについて考えさせられた方も多いのではないでしょうか。

「人生100年デザイン」編集部は今年、高齢社会における課題である認知症や、最近よく耳にする「争族」に関する情報を積極的に発信してきました。

今回は、今年お伝えした内容を振り返りながら、認知症や争族などの問題解決に向けたキーワードを探ってみたいと思います。

シニア層が考えておくべきリスクとは?

社会の高齢化が一段と進むなか、「シニア層」の捉え方も徐々に変わりつつありますが、定年退職を1つの区切りとして捉えると、リタイア前後に考えておくべきことが多くありそうです。

例えば「リタイア後は時間に余裕があるからそれから考えよう」では間に合わない手続きもあります。また、「退職金で余裕があるから」といっても使い方や環境の変化によって発生するリスクもあるでしょう。

そこで、シニア層が直面するリスクと事前準備の重要性について解説したコラムをご紹介します。

●定年退職前にやっておくべきこと

●シニア投資家が考えておきたい3つのリスク

認知症の発症は意外と身近な問題

皆さんは認知症を発症する割合をご存じでしょうか。厚生労働省の調査では65歳以上の高齢者のうち認知症発症者は2020年に推定600万人(約20%)と言われています(厚生労働省:新オレンジプランより)。同級生の5人に1人が認知症と考えると、かなり身近に感じられるのではないでしょうか。

では、認知症を発症するとどのような問題が起こるのでしょうか。発症後の財産管理に関する事例とトラブルを防ぐ対策について解説したコラムをご紹介します。

●相続トラブルを防ぐ!「家族信託」「エンディングノート」の活用法とは

●親や配偶者が突然、認知症に!家族間トラブルへの備え

●家族と考える認知症と相続の対策(1)

最近では認知症発症の対策として「家族信託」という言葉をよく耳にするようになりました。家族信託とは家族で行う民事信託のことです。家族信託のメリット・デメリットについてまとめたコラムをご紹介します。

●家族と考える認知症と相続の対策(2)認知症への対処(信託制度)

●民事信託とは?メリット・デメリットを解説します!

相続をめぐるトラブル「争族」は増加中

相続をめぐるトラブル「争族」が増加傾向にあります。司法統計によると、家庭裁判所が新規に受けた相続に関する調停件数は、20年前に比べて6割も増えているとも言われています。

大切な家族の間で何が問題になるのか、その回避策をお伝えしたコラムをご紹介します。

●増える相続トラブル!事前に知っておくべき遺産の遺し方・渡し方

●親の介護と相続、未然に「争族」を防ぐ対策とは?

問題解決のために必要なのは「事前の準備」と「家族の対話」

認知症や争族の問題に対しては、家族の意思疎通が必要だったり、事態が起きてからでは遅いということを、上記の記事を通じてお伝えしてきました。問題解決のキーワードは、「事前の準備」と「家族の対話」と言えるでしょう。

家族、特に親子でお金の話はしづらいし、切り出しにくいものだと思います。それでも、事前に対話をすることで、将来の不安を和らげることができるかもしれません。

以下では、いかにして家族で語り合うべきか、その手順などをご紹介しています。

●現役僧侶が説く「親と子は、いかにして遺産相続について語り合うべきか」【前編】

●現役僧侶が説く「親と子は、いかにして遺産相続について語り合うべきか」【後編】

本コラムでは今年1年にわたって、「事前準備」と「家族の対話」の重要性をお伝えしてきました。

2022年も「人生100年デザイン」編集部は、皆さんが人生100年時代を憂い無く、楽しく過ごしていただけるよう情報提供に努めてまいります。