暗号資産暴落、3年前との類似
先週(1月25日週)、米国株などは何度か急落する場面があった。こういった中で、為替は米ドル高となった。「コロナ後」続いてきた株高・米ドル安、株安・米ドル高といった組み合わせ通りだったとも言える。それにしても、なぜ先週、株は急落したのか。
私は1月25日付けレポート「暗号資産暴落は株安・円高の示唆!?」というレポートで、約3年前の暗号資産のビットコイン(BTC)暴落局面において、それを後追いする形で株安・円高となったことを参考にした上で、今回の暗号資産暴落も、株安・円高につながる可能性について述べた。その意味では、先週の株急落は、暗号資産暴落を受けた結果だったのではないかと考えている。かりにそうだとしたら、暗号資産下落・株安は、さらに続くだろうか?
BTCは、2020年12月に約3年ぶりに最高値を更新し2万ドルの大台を突破すると一気に4万ドル突破となったものの、その後は一転して3万ドルまで暴落となった。このように説明していても「凄い動き」と思うが、じつはこれを3年前暴落前後の値動きと重ねてみると、とてもよく似た動きとなっていた(図表1参照)。
この似た動きがこの先も続くなら、BTCはこの先一段の下落に向かう見通しになるが、果たしてどうか?
3年前のBTCの動向と今回を比べると、似ているのは短期的な「上がり過ぎ」反動の可能性ということだろう。90日MA(移動平均線)からのかい離率で見ると、プラス50%以上に拡大した後から間もなく急落に転じた形となった点がよく似ている(図表2参照)。
以上のように見ると、3年前と今回は、BTCの短期的な「上がり過ぎ」の反動という点で良く似ており、その中ではプライス・パターンもとても似た状況が続いたということではないか。
さて、プライス・パターンの類似がこの先も続くなら、BTCはさらに一段の下落に向かう見通しになる。3年前のように、BTCの一段安が、結果として株安に波及するなら、株価も一段の下落に向かう可能性が注目される。
上述のように、3年前、暗号資産下落・株安が拡大する中で、米ドル/円も一段安に向かった。その意味では、暗号資産と株安がさらに続いた場合、先週こそ円安となったものの、それが米ドル安・円高に転換するリスクも要注意ではないか。