前回コラムでは、「ほったらかし投資」として投資信託の積立をする際の投資信託の選び方について説明しました。
「ほったらかし」とは言うものの、購入する商品と金額だけを決めて、後は、それっきりにしていいものではありません。あくまで「ほったらかし投資」は日々の相場変動に右往左往しない投資を継続するための仕組みであり、定期的な見直しが必要です。
アセットアロケーションとリバランス
どんな資産に投資するか、その配分を「アセットアロケーション(資産配分)」と呼びます。
アセットアロケーションは、自身でとれるリスクや中長期的な市場状況を鑑みて決めるものです。また、定期的にその配分がどのような状況になっているかを確認し、当初決めた配分から差異が出たら調整する「リバランス」を行います。
一般的には1年に1回リバランスすることを目安とされることが多いのですが、相場に大きな変動があり、配分が大きく変わったと思われるときにも行うケースがあります。「少なくとも年に1回」と決めておき、ルール化しておくと良いでしょう。
「リアロケーション」の必要性
投資に慣れていくとリスク許容度が変わり、リスクを高めてハイリターンを目指す余裕が出てくる場合もあります。ライフプラン上においても、年齢が上がり収入が増えて「稼ぐ力」が増せば、その分、投資に回す資金も増やせるでしょう。
そうした場合には、当初に決めたアセットアロケーションから資産配分比率を変えていく「リアロケーション」を行います。
これまで投資していた投資信託の配分比率を変える他、リスクの種類が異なる投資信託を新たに資産へ組み入れてみるのも良いでしょう。リスクの種類が多様化することで、リスク分散の効果も高まってきます。
運用成果を確認し、「リバランス」や「リアロケーション」を行っていくためには、少しずつでも投資について学んでいく必要があります。投資を行うことは、経済を見る目を養うことにも繋がると考えています。ですので、できるだけ早く投資を始めるメリットはここにもあると言えるかもしれませんね。
資産状況を確認するポイント
投資信託の運用成績は日々更新される基準価額の変化で見ることができます。ウェブサイトで基準価額や、運用状況、利回りや分配金の推移などを簡単に検索し、確認することができます。
運用中の自身の資産状況を確認するのであれば、利用している金融機関のウェブサイトにある「口座状況」等を見るのが便利です。金融機関によりますが、損益を含め、一目で自身の資産状況を確認できるようなサービス提供がされていることもあります。
しかしながら、複数の金融機関を利用している場合は、自分自身で資産全体をまとめる必要が出てきます。そのため、利用する金融機関を多くし過ぎないことも資産を把握しやすくするためのポイントと言えます。
同じ分類の投資信託でも成績や評価には大きな差が出る場合もありますので、評価会社が行っているレーティングやランキングを比較することも参考になります。ただし、「過去の成績や評価は未来を約束するものではない」ということにも留意してください。
リバランスやリアロケーションの際に、資産分類としては同じカテゴリーであっても、より魅力的な投資信託へ投資先を変更していくのも良いでしょう。
慣れてきたら、中長期的な相場トレンドを捉えていくことで投資戦略を変えていくことが効果的です。何を見て、相場変動の判断をするのか、その情報収集の方法などについては、次回説明したいと思います。