今回は、投資信託にかかる3つのコスト(手数料)と投資信託選びのポイントを解説します。

事前に知っておきたい投資信託にかかる3つのコスト

投資信託の運用成績にコストも少なからず影響します。投資信託にかかるコストは、3種類あり「購入する時」「保有している間」「解約する時」の3つの場面に分かれます(図表1)。

【図表1】投資信託にかかるコスト
出所:金融庁のウェブサイト
https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/nisa2024/slide_202406.pdf

購入時にかかるコスト(販売手数料)

現状、NISA制度などの拡充により、投資信託の中には、「ノーロード投信」といって、販売手数料がかからないものも多くあります。(※)2019年12月13日(金)申込受付分より、マネックス証券で取扱うすべての投資信託の購入時申込手数料はノーロード(0円)です。

このような環境が整う前までは、個人投資家は投資信託を購入する際、販売会社に「販売手数料」を支払う必要がありました。販売手数料は、販売する金融機関ごとで独自に設定できるもので、投資信託の購入金額に対して最大で3%程度かかるような場合もあります。この場合、販売手数料が3%の投資信託を100万円分買う場合、3万円かかります。

信託報酬

次に投資信託を保有している間、継続的にかかる手数料「信託報酬」について説明します。信託報酬は、投資信託を運用してもらうための経費のようなもので、運用期間中に信託財産から日々差し引かれる手数料です(図表2)。 

【図表2】信託報酬の仕組み 
出所:マネックス証券作成

信託報酬は年○%と、年率で記載されていて、純資産総額に対して乗じた金額が差し引かれます。信託報酬の額は、商品ごとに違います。一般的には、国内より先進国、先進国より新興国、インデックスファンドよりアクティブファンドのほうが高く設定されています。たとえば、100万円を投資した場合(信託報酬控除前リターン4.5%)では、信託報酬率が1%異なると、資産総額に約33万円の差が生じます(図表3)。

【図表3】信託報酬率が1%違う場合の資産総額
出所:金融庁ウェブサイト
https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/assets/pdf/tsumitate_guidebook.pdf

信託財産留保額

売る時にかかる手数料が「信託財産留保額」です。ただし、この手数料は必ずかかるわけではなく、かからないファンドもあります。通常、投資信託を解約するときの時価(基準価額)に対して、0.1~0.5%かかります。

これは、解約に対し、投資信託の中に含まれる株式や債券を現金化するコストが発生することから、継続保有している他のファンド保有者とのコスト面の公平さを確保するためです。投資信託の運用資産に留保され、他のファンド保有者に還元されます(図表4)。

【図表4】信託財産留保額の仕組み
出所:マネックス証券作成

投資信託のコストの確認方法

コストは運用成績に影響を与えるので、必ず確認するようにしましょう。以下のように金融機関のウェブサイトでは取り扱っている投資信託のコストを確認することができます(図表5)。

【図表5】投資信託のコストの確認方法
出所:マネックス証券ウェブサイト(ファンド検索)(2024年10月9日時点)
https://fund.monex.co.jp/search