前回コラムでお伝えした通り、「ほったらかし投資」を実現する上で、投資信託の積立をお勧めしています。

ほぼ金利がつかない預貯金の積立でお金を増やすことが困難な中、リスクを分散しながら時間を味方につけて投資していくことの方が「増える可能性」を期待できると言えるでしょう。そこで今回は、投資信託の選び方について見ていきたいと思います。

投資信託の種類と特徴

投資信託には種類がたくさんあり、日本国内に限らず、世界の株式、債券、商品、不動産といった様々な資産を対象に投資・運用を行う金融商品です。

投資先の国・地域、投資商品、運用方法などで分類することができ、そのラインナップは多種多様です。(2020年9月末時点で公表されている公募型投資信託の数は5,903本。出所:一般社団法人 投資信託協会)

投資信託の種類と特徴を理解することで多数の投資信託の中から自分が投資してもよいと思えるものを絞りこむことが可能です。ここでは投資信託を見極めるポイントを紹介します。

投資信託には主に2つの運用方法の分類があります。市場の値動きに連動するように運用する「パッシブ型」と、市場の値動き以上の運用成績を目指して積極的に運用する「アクティブ型」があります。

初心者向けの「ほったらかし投資」をする上では、パッシブ運用で、日経平均などの株式市場全体の値動きを反映する指標を投資対象とする「インデックスファンド」が始めやすいと思います。

運用目的・目標の違いなども注目すべき点です。「何に投資をしたいのか」という点から考えてみるのもよいでしょう。

「投資をするなら、注目のこの分野(商品)に投資したい」と考える人もいるでしょう。

その場合はアクティブ運用をしているファンドの中から探すのも1つの方法です。ただし、アクティブ運用のファンドを選ぶ場合は完全に「ほったらかし」にはせずに、評価額を定期的に確認しながら運用するようにしましょう。

購入前に確認すべきポイント

手数料

投資信託は運用のプロが投資家に代わって調査、判断、投資をします。そのため手数料がかかります。手数料は大きく以下の3つで、それぞれ「購入時」、「保有中」、「解約時」にかかる費用です。

【購入時】 販売手数料(「購入金額の●%」というかたちで支払います。最近は「ノーロード」と呼ばれる手数料無料のものも増えています)
【保有中】 信託報酬(運用のための費用や保管手数料などです)
【解約時】 信託財産留保額(運用の途中で解約することで残りの保有者に不公平が生じないように徴収されます)

最近は信託報酬しかかからない場合も増えています。信託報酬は投資先が多かったり、複雑であったりするとそれだけ割高になります。高い手数料を支払えば高い利回りが約束されるというわけではありません。自身の期待値とコストを考えて、まずは手数料を確認するようにしましょう。

各手数料は投資信託の種類や販売会社によって異なります。同じ投資信託でも購入手続きをする金融機関によって手数料が異なることもあります。投資信託を購入する際には、金融機関で提供されている販売用資料、もしくは目論見書で手数料の詳細を確認しましょう。

純資産総額と運用実績

投資信託の人気度や期待度などを見るバロメータの一つに「純資産総額」があります。運用成績に期待している人が多く、人気があればそれだけお金が集まります。

プロのファンドマネージャーであっても、充分な資金がなければ思った投資はできませんので、資金が潤沢に集まることは各投資対象への投資のしやすさにつながります。解約が相次ぐような状況では投資が続かず運用終了(繰上償還)となりかねません。

ただし、人気が先行して巨大投資信託になってしまい、俊敏な投資がしにくくなってしまった例も過去に見受けられました。新規に募集している投資信託以外はこれまでの運用実績についても、純資産総額と共に確認するようにしましょう。純資産総額や運用実績も、目論見書等で確認できます。

インターネット証券等のサイトで、様々なファンドの詳細情報を検索、比較することができますので、チェックしてみましょう。

分配金と再投資

投資信託の保有期間中に運用益を「分配金」として受け取れる「分配金あり」と、受け取れない「分配金なし」の2つのタイプがあります。

「分配金なし」はそのまま元本に組み入れて再投資していくものです。「分配金あり」を選んだ場合、その頻度や方針も様々ですが、受け取る際には課税されます。

そのため、もしお金を長期に渡って増やすことを目的としているのであれば、「複利効果」を得られる「分配金なし」を選ぶ方がよいでしょう。(複利効果については前回コラムをご覧ください)

このような投資信託に関する詳細情報(上記以外にもリスクについての説明など)は投資信託説明書(交付目論見書)に記載されています。

細かい文字で記載されているため読みにくいと思われるかもしれませんが、大切な資産の運用を任せるかどうかの判断に必要な情報です。購入前にしっかりと確認しましょう。