東芝機械(6104)(4月1日に社名を芝浦機械に変更、以後、芝浦機械)の3月27日の臨時株主総会では、会社側が勝利し、買収防衛策が発動されました。その後、ファンド側・会社側から大きな動きが出ていないので今回は両者の対立内容やその意味合いを振り返りたいと思います。

多くの場合、アクティビストと会社の対立は、アクティビスト側が会社の経営の改善点を指摘し、会社側がそれに反対することで生まれます。特に、会社資産の活用方法が俎上に載ることが多いです。

芝浦機械の場合も同社が保有していたニューフレアテクノロジー(6256:現在非上場、以降NFT)株式の活用が大きな論点でした。NFTは東芝グループの半導体製造装置で、芝浦機械はもともと東芝グループだったため、同社株を15.8%保有していました。芝浦機械は後述の通り、NFT株を東芝のグループ会社のTOBに応募する形で売却しており、その意味で業務上のシナジーも小さかったようです。また、芝浦機械は東芝グループを外れていたので、その意味でも保有する意味合いも薄れていたでしょう。

そのNFT株を売却し、余剰資金を株主に還元すべきというのがファンド側のもともとの主張でした。
その後、東芝グループがNFTをTOBすることになります。その際に注目を集めたのは、HOYA(7741)が東芝グループを上回る条件でTOBを行う意向を示したことでした。しかし、東芝グループはNFT株の過半数を保有しており、HOYAのTOBには東芝グループの応募が不可欠。HOYAは東芝グループが応募する場合、TOBを行う意向でした。結果的に東芝グループはHOYAのTOBを受け入れず、同社のTOBを継続、芝浦機械もそのTOBに応募しました。

ファンド側はこのTOBでHOYAのほうが東芝グループより高い値段でNFT株を買う意向を示している以上、より高くNFT株を売却できるよう、東芝グループ、HOYAと交渉すべきとしていました。その他にもファンド側は芝浦機械にNFT株の売却方法など様々な提案をしています。
芝浦機械はこれらを受けず、結果的に今回の芝浦機械に対するTOBへと展開していきます。

ファンド側主張のすべてが合理的ではないと思いますが、上記のNFT株を高く売却できるように交渉すべきという提案に対し、「東芝グループに要望は出していた」という芝浦機械側の回答は株主であれば物足りなく感じることも事実ではないでしょうか。芝浦機械の回答はIRサイトに記載の通りです。

一方、上記の回答にあるように、株主平等の原則やディスクロージャーを平等にすべき、という観点で株主の中でアクティビストを特別視できないというのには納得ができます。アクティビストは株主共通の利益に資すると評価されない限り、なかなか活動が難しそうです。今回、ファンド側のTOBは失敗に終わりました。これは、結果的にその株主共通の利益に資すると、当の株主が認めなかったわけで、今後のアクティビストの動きにも影響を与えるものだったと言えそうです。