英ポンド/米ドル (1.2420~1.3180) 6月13日~6月19日まで

アナリシス:

皆さん、こんにちは! 英保守党党首選の候補者10名が決定したニュースが報じられました。BBCの報道によると、最も多くの下院保守党の支持を集めているのは、やはりボリス・ジョンソン前外相のようです。2位、3位は接戦のようで、ジェレミー・ハント外務・英連邦大臣とマイケル・ゴーブ環境相となっています。

保守党議員により、本日から投票が実施されます。第1回議員投票では17名以上の保守党議員の支持を得たら当選し、16名以下は落選となります。

第2回議員投票からは33名の投票で当選。32名以下の支持の場合は落選。こうした投票を行った後、最終は2名の候補者に絞られます。その後は全国16万人(12万人との報道も)の一般の保守党員の郵便投票が実施され、早ければ7月22日に決定。遅くとも26日までには結果が分かるとのことです。

さて、そんな中で、各候補者がブレグジット強硬派なのか、穏健派なのかが話題になっています。強硬派とされているボリス・ジョンソン氏は選挙演説の中で、合意なき離脱は目指さないとした上で、10月31日の期限までにEU離脱をすべきとの見解を示しました。

しかしながら、EU側との交渉をする上での重要な手段として、合意なき離脱の選択肢も残す必要はあると言及しています。

また、経済界の中でもロンドンの金融街の経営者達に人気なのは、マイケル・ゴーブ氏のようです。支持者達からは、ボリス・ジョンソン氏よりも合意なき離脱を回避して、EU側との交渉に成功し、合意ある離脱を実現できる最有力候補と見られているようです。

当面、こうした各財界人や、地域によっても誰を支持するかが浮き彫りになっていくと思いますが、為替への影響は党首が決定するまでは限定的と見ており、今後の動向に注目していきたいと思います。

他方、為替相場は、米中問題、対メキシコへの関税問題、株価や米10年債利回りの影響を受けています。先週トランプ大統領は対メキシコへの段階的関税率引き上げを声高に唱えていましたが、その週末には撤回。それにより今週はドル買いの窓空きスタートとなりました。

市場参加者の興味は、来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)でパウエル議長が利下げを決定するか否かに集中しているように思えます。利下げとなった場合はドル売りの方向に一気に加速するのか、現在既にドル売り方向でマーケットは動いているため、さほどの動きにはならないのかが注目されるところです。個人的には、利下げ実施は久しぶりとなりますので、米ドル/円が106円台に下落するきっかけになり得ると想定しています。

それでは、月足チャートです。

【図表1】英ポンド/米ドル(月足)
出所:筆者作成

トレンドレス下段。−2σまでゆとりあり。この形状から、1.2330~1.2420近辺までは下落の可能が想定できます。上昇余地は直近高値の1.3180近辺となります。
続いて、週足チャートです。

【図表2】英ポンド/米ドル(週足)
出所:筆者作成

トレンドレス下段。下段近辺で小幅のレンジを形成中。このままトレンドレス内をバンドウォークしていくのか、一旦下げ止まるかがポイントです。来週のFOMCの結果次第では、一気にMA、ミドルライン付近まで上昇する可能性もありますので、ご注意ください。

最後に、日足チャートです。

【図表3】英ポンド/米ドル(日足)
出所:筆者作成

トレンドレス中段。バンドが狭まっているので、上下動きにくい状態です。

向こう1週間の重要指標です。

14日(金)
21:30 米・小売売上高

18日(火)
18:00 EUR・消費者物価指数

20日(木)
3:00 米・政策金利発表
3:30 米・パウエルFRB議長定例記者会見


上記の分析からエントリーポイントとしては、以下のとおりです。

予想レンジ:1.2420~1.3180

メインストラテジー:

<日足ベースシナリオとして>
買いをするなら
・1.2600~1.2620の週足トレンドレス下段逆張り+日足トレ転−2σタッチを根拠にエントリー
・1.2300~1.2340の月足トレンドレス下段逆張りを根拠にエントリー
・1.2760を上に抜けたら、短期足を使って押し目で順張りエントリー

売りをするなら
・1.2760近辺の日足トレンドレス上段逆張りを根拠にエントリー
・1.2600~1.2620を下にブレイクしたら短期足を使って戻り目で順張りエントリー
・1.2900~1.2930の日足トレンドレス上段逆張りを根拠にエントリー
・1.3180付近で週足・日足トレンドレス上段逆張りを根拠にエントリー