吉田恒の為替デイリーの記事一覧

チーフ・FXコンサルタントの吉田恒が独自の視点から日々のマーケット情報や注目材料などをお伝えします。
 

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吉田恒の為替デイリー
【為替】日銀「連続指し値オペ」の使命は終わりか
FOMC(米連邦公開市場委員会)終了を受けて、次の注目は7月28日の日銀金融政策決定会合に移る。この会合で最大の焦点と見られているのは、2022年4月から行ってきた10年債利回りの上限設定政策の扱い。 これまでのところ、今回の会合でこの政策の変更はないとの見方が有力になっている。ただ、この上限設定政策は、すでに目的を達成しつつある可能性があるため、いつ止めてもおかしくないのではないか。
【為替】FOMCで金利と為替はどうなる?
7月26日(現地時間)にFOMC(米連邦公開市場委員会)の結果が発表される。では、今回のFOMCは「タカ派」、「ハト派」のどちらの評価になりそうか。そしてそれは、特に米金利にどのように影響するかについて考えてみる。
【為替】欧州通貨「買われ過ぎ」修正に注目
ユーロや英ポンドといった欧州通貨の買いが急拡大、一部のデータでは、「買われ過ぎ」も懸念されてきた。背景には、金融政策転換期特有の要因などがあるのではないか。 先週発表された英国のインフレ指標を受けて、利上げシナリオが下方修正される見通しとなった。欧州通貨の「買われ過ぎ」修正への影響も注目される。
【為替】総合力でも限界圏で推移する円安
円の総合力を示す6月の実質実効レート(日銀発表)は、過去最安値となった2022年10月の記録に迫るまで下落した。対米ドルでは、いまだ2022年の円安値更新とはなっていないものの、いわゆるクロス円が軒並み円安値更新となる中で、総合的な円安は過去最安値更新目前の動きとなったということだ。 実質実効レートには、過去5年の平均値を20%前後下回ると下落(円安)が終了するといったパターンがあったが、6月は19%弱まで下回った。その意味では、循環的には円安限界圏に達してきた可能性がある。
【為替】米ドル/円と日本株の関係を考える
4月頃から、米ドル/円と日本株は、円安(米ドル高)=株高、円高(米ドル安)=株安に連動するケースが増えた。2022年は、円安=株安、円高=株高といった、むしろ米ドル/円と日本株が逆方向に動くことが多かったが、それから顕著な変化と言えるだろう。 なぜこのような変化が起こったのか、そしてそれはこの先も続くのかについて考えてみる。
【為替】YCC見直しなら金利と為替はどうなるか?
日銀がこの先10年債利回り上限の拡大ないし撤廃に動いた場合、日本の10年債利回りはどこまで上昇する可能性があるのか。 日米金利差米ドル優位縮小に伴う円高リスクについて考察してみる。
【為替】ユーロ高・米ドル安のシナリオとは?
ユーロ/米ドルは、半年以上長く続いていた1.05~1.1米ドル中心のレンジ相場を、先週にかけて大きく「上放れ」した形となった。経験的には、小動きが長く続けば続くほど相場のエネルギーが溜まるため、その小動きから抜け出すと溜まったエネルギーの発散で、それまでから一変、一方向へ大きく動く可能性が高まる。
【為替】米ドル/円、2022年との類似と相違
この数ヶ月の米ドル/円のプライス・パターンは1年前の値動きと類似した面がある。この「アナロジー」が続くなら、米ドル高・円安はまだ終わっていないことになる。 ただし、1年前と最近では米ドル/円や米国債のポジションが大きく異なっている可能性がある。
【為替】為替介入が水準以外に意識すること
日本の通貨当局は2022年、為替市場に介入した。2011年以来10年以上ぶりのことであった。ただ、取引内容は、2010年9月~2011年11月に行われたのが円高阻止の米ドル買い・円売り介入だったのに対し、2022年9~10月は円安阻止の米ドル売り・円買い介入だった。 これまでのところの「最後の円高阻止介入」と「最後の円安阻止介入」を検証してみると、通貨当局が介入する上で為替相場や水準とは別に意識していそうなことが浮かび上がってくる。
【為替】アノマリー通りとなった「7月の円高」
これまでの「止まらない米ドル高・円安」から一変、7月に入ってから「止まらない米ドル安・円安」の様相となった。 ただし、これは「アノマリー通り」という言い方になるかもしれない。歴史的な米ドル高・円安が展開した2022年の場合も、7月には約10円もの米ドル/円の急落が起こっていた。
【為替】円安は145円で終わったのか?
一時145円まで米ドル高・円安となったが、今週にかけて140円程度まで米ドル安・円高に戻ってきた。 2023年の米ドル高・円安は、145円で終わりだったのかを考える。
【為替】円安・株高はアベノミクスと違う可能性
円安と日本の株高が、この数ヶ月連動してきた。これは、2015年前後のアベノミクス相場でも見られた現象だった。 ただ当時と今回は違うだろう。この先、円高・株高といった具合に関係が変化に向かう可能性もあるのではないか。
【為替】米金利上昇でも米ドル下落の理由
先週末にかけて、米金利上昇傾向が続き、日米金利差も米ドル優位拡大傾向が続く中で、米ドル/円は144円台から142円割れ寸前まで、比較的大きく下落した。 ではなぜ、米金利や金利差からかい離する形での米ドル下落となったかについて、今回は考えてみる。
【為替】円安終了後、円急騰となった2022年
最近にかけて、2022年に記録した151円に迫る米ドル高・円安となってきた。 2022年は10月21日に151円で米ドル高・円安が終了すると、その後1ヶ月も経過しない中で137円まで米ドル/円の急落が起こった。なぜ、円安終了後に急激な円高となったかについて振り返ってみる。
【為替】メキシコ「利下げ」の可能性を考える
7月7日のメキシコCPI発表が予想より弱い結果となった場合、一部では早期利下げ観測が浮上する可能性も注目されているようだ。 記録的な上昇が続くメキシコペソ/円だけに、金融政策転換思惑の影響は今後要注意となりそうだ。
【為替】ボラティリティが復活した米ドル/円
2023年の米ドル/円最大値幅は、これまでに18円程度まで拡大してきた。1990年以降の最大値幅となった2022年に比べるとまだ半分にも満たないものの、2021年まで続いた小動きが変わった可能性がありそうだ。 そうだとしたら、2008年「リーマン・ショック」以降続いた実質的な「金利差なき時代」が終わり「金利差時代の復活」となった影響が大きいのではないか。
【為替】豪ドル/円の現状評価を再点検する
豪州の中央銀行であるRBAは7月4日に金融政策決定会合を行うが、今回については利上げか、政策金利を据え置くかで見方が分かれているようだ。 改めて豪ドル/円と金利差との関係や、短中長期の客観的評価などについて再点検してみる。
【為替】円安阻止介入、2022年9月との「違い」
米ドル高・円安は6月30日、一時145円を記録した。145円台は、2022年9月22日に、日本の通貨当局が今回の円安局面で最初に円安阻止の米ドル売り・円買い介入を行った水準だ。ただ同じような円安でも、通貨当局の立場からすると2022年9月当時と今回では印象がかなり違う可能性がありそうだ。 2022年9月当時は円安の終わりがほぼ見えない状況だったのに対し、今回の場合は、ある程度円安の限界が見えている。大きな違いになっているのは、米ドル高・円安に影響する米金利見通しだろう。
【為替】「上がり過ぎ」懸念が拡大するクロス円
メキシコペソ/円や英ポンド/円など一部のクロス円は短期的な「上がり過ぎ」懸念が強くなってきた。米ドル/円が下落に転換すると、それに巻き込まれた上に「上がり過ぎ」の反動も重なり下落リスクが拡大する可能性は要注意。 中長期的にも「上がり過ぎ」懸念が強いことを考えると、下落への転換は上昇トレンド自体の終了になる可能性も意識する必要がありそうだ。
【為替】「クロス円介入」の可能性を考える
2022年10月以来の円安阻止介入再開が注目されている。ただし、仮に円安阻止介入を再開するとしても、2022年当時と最近では円安を巡る構図に違いがある。2022年の円安は対米ドルが主導していたのに対し、最近は米ドル以外の通貨、いわゆるクロス円で軒並み円安値更新となっている。その意味では、クロス円での円買い介入がより合理的ではないか。 最後にユーロ/円に介入したのは、現在の介入政策の実質的責任者である神田財務官が、約20年前に介入担当セクションの幹部だった時だ。