1.概況
本日の日経平均は104円安の1万9908円と反落しました。TOPIXや新興市場のマザーズ指数も下落しましたが、JPX日経400は小幅に上昇しています。先週末の米国市場でダウ平均は上昇して史上最高値を更新したものの、大手証券のレポートがきっかけでハイテク株に売りが出てナスダック総合指数が大幅に下落したことを受け、日経平均は92円安の1万9920円と反落して寄り付きました。日経平均は9時半頃から下げ幅を広げると10時前に175円安と1日の安値をつけました。そこから前引けにかけては下げ幅を縮めて、日経平均は前場を71円安で終えました。日経平均は後場に入ると高値と安値の値幅が40円程度と非常に狭い値幅での推移となり、結局104円安での大引けとなりました。東証1部の売買代金は2兆3132億円となりました。東証33業種は保険業や石油石炭製品、建設業などの21業種が上昇しました。一方でその他製品や電気機器など12業種が下げています。東証1部の上昇銘柄数896に対し下落銘柄数は980と上昇銘柄数と下落銘柄数は拮抗しました。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は下落した銘柄が目立ちました。売買代金トップの任天堂(7974)のほか、ソフトバンクグループ(9984)、三菱UFJ(8306)、三井住友(8316)、ファーストリテイリング(9983)などが下落しています。ファーストリテイリングが44円強、ソフトバンクグループが28円強と2銘柄で計72円強日経平均を押し下げました。また、米ハイテク株の急落を受け半導体関連各社が軟調でした。東京エレクトロン(8035)、ファナック(6954)、村田製作所(6981)、SUMCO(3436)がいずれも2-3%台の下げとなっています。その他材料が出たところでは、東芝(6502)が10%近い大幅高となりました。東芝メモリの買収価格が引き上げられるとの報道が出たことが刺激となったようです。また、上野動物園のパンダが出産したとの報道を受け、中華レストランを全国に展開し上野に本店のある東天紅(8181)が一時ストップ高となり、終値では6.7%高となっています。

【VIEW POINT: 明日への視点】
米ハイテク株の下落が重しとなり日経平均は反落しました。米ハイテク株が今夜の米国市場でいったん反発するのか、このまま下落を続けるのかが今週のマーケットの大きなポイントとなりそうです。また、今週の最大のイベントは13日から14日にかけて開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)です。今年2回目となる利上げを実施する可能性は非常に高いとみられていますが、FOMCメンバーの今後の金利や経済成長率の見通しを示す「プロジェクション」に3月時点からどのような変化があるか注目されます。また、年内に開始されるとの指摘もあるFRBのバランスシート縮小について何らかの示唆があるかも注目されています。

(マネックス証券 プロダクト部 益嶋 裕)