ようやく75日移動平均線が上向きに変化
週明け11月25日(月)の日経平均は、一時39,000円台を回復する場面がありました。ようやく上向きに変化した75日移動平均線(38,027円/11月25日時点)をサポートに反発が続く格好となりました。なぜ、ようやくなのか? それは、75日移動平均線のこれまでの下向きの推移が、相場のさえない要因のひとつになっていた可能性がある、と筆者は考えていたからです。
75日移動平均線というのは、直近75日間(約3ヶ月)の平均売買コストです。売買コストが低下基調(下向き基調)にあるということは売り方に利が乗りやすい局面ですが、売買コストが上昇基調(上向き基調)になれば、買い方に利が乗りやすい局面に変わります。
75日移動平均線の平均値が上昇し、テクニカル指標が好転
75日移動平均線を計算する場合、直近75日間で最も古い日付の価格が、日々の計算対象から外れていきます。週明け11月25日の75日前は、日本株全般が総崩れした8月5日(月)です。8月5日の終値31,458円が75日間の計算対象から外れ、11月25日の38,780円が計算対象に加わることで平均値は上昇し、約3ヶ月の平均売買コストも上昇しました。
この小さな好転がもたらしたものが11月25日の上昇かもしれません。米国市場の上昇も確かにありますが、ジャンプするような上げ方をした背景には日柄調整が一巡した可能性を示唆しています。価格変動は時間によって決められるという相場の極意のひとつです。特に8月5日は歴史的な下げを演じた日でもあり、そこを基準に変化するテクニカル指標の好転には意味があると考えられます。
11月の最終営業日を含む週の日経平均は勝率が高いというアノマリーは2021年以降では通用していません。しかし、25日は11月相場の最終週に入り、12月相場に向けて幸先の良いスタートになったといえるのではないでしょうか。このタイミングでの、小さなテクニカル指標の好転。久しぶりの「掉尾の一振」に期待したいところです。