NYダウ: 21182.53  △8.84 (6/8)
NASDAQ: 6321.76  △24.38 (6/8)

【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>

1.概況
米国市場はコミー前FBI長官の議会証言を波乱なく終えたことで小幅続伸となりました。前日終値を挟んで小幅に揉み合う展開でスタートしたダウ平均はしばらくして買いが優勢となり昼ごろには90ドル高余りまで買われましたが、2日に付けた史上最高値を上回ったこともあって利益確定の売りが出て下落に転じ一時は35ドル安まで売られました。しかし、引けにかけて持ち直すと結局8ドル高の21,182ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も24ポイント高の6,321ポイントとなり、こちらは2日に付けた史上最高値を一週間ぶりに更新しています。

2.経済指標等
先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比1万件減の24万5千件と3週ぶりに減少したものの、市場予想ほどは改善しませんでした。

3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち公益事業や生活必需品、一般消費財・サービスなどの7業種が下げました。一方で金融や情報技術などの4業種が上げ、金融は1%を超える上昇となりました。

4.個別銘柄動向
目標株価の引き上げを好感して画像処理半導体のエヌビディア(NVDA)が大幅高となり上場来高値を更新しました。2018年3月期の売上高が45-49%増になるとの見通しを示した中国の電子商取引最大手のアリババ集団(BABA)も急伸し上場来高値を更新しています。さらに創業家が非上場化を模索していると発表した百貨店のノードストローム(JWN)や、特別株主総会でベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)へのネット検索部門など中核事業の売却が承認されたヤフー(YHOO)も急伸しています。一方で成長鈍化を懸念する売りで写真・動画共有アプリのスナップチャットを運営するスナップ(SNAP)が大幅安となっています。

5.為替・金利等
長期金利は0.02%高い2.19%となりました。ドル円は110円前後で推移しています。

【VIEW POINT: 今日の視点】
米国株が続伸し、ドル円も円安となっていることから本日の日本市場は反発してのスタートが予想されます。出口調査で与党保守党が過半数割れとなる見通しが伝わっている英国総選挙結果のマーケットへの影響が注目されますが、こうしたなかで日経平均が引けで20,000円の節目を回復できるかがポイントとなりそうです。また、本日は3ヵ月に一度のメジャーSQで寄り付きの動向も注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)