1.概況
本日の日経平均は209円高の1万9860円と5日ぶりに反発しました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて上昇しました。昨日の米国市場で主要指数は下落し、ドル円は110円台後半と昨日と同水準で推移しましたが、日経平均は41円高と上昇して寄り付きました。寄り付き前に発表された法人企業統計で設備投資額がリーマン・ショック前以来の大きさとなるなど企業の旺盛な設備投資意欲が確認されたことが刺激となったようです。日経平均は寄り付き後も上げ幅を広げるとまもなく上げ幅は200円を超えました。前場を203円高とその時点の高値圏で終えた日経平均は後場に入ってもじりじりと上げ幅を広げ、14時頃に237円高と1日の高値をつけました。日経平均は引けにかけてやや上げ幅を縮めたもののそのまま高値圏で大引けをむかえました。東証1部の売買代金は2兆4665億円と2兆円台半ばの高水準となりました。東証33業種は鉱業を除く32業種が上昇しました。中でも電気・ガス業と倉庫運輸関連は2%を超える上昇となっています。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金トップの任天堂(7974)や3位のソフトバンクグループ(9984)は下げたものの、その他の売買代金上位銘柄は概ね上昇しました。三菱UFJ(8306)、東京エレクトロン(8035)、キヤノン(7751)、トヨタ自動車(7203)などがいずれも上昇しました。東京エレクトロンは昨日発表した中期経営計画で2020年3月期のROE目標の下限を20%に引き上げたことが好感されました。また、キヤノンは昨日自社株買いを発表したことが買いを誘いました。その他材料が出たところでは、駐車場運営のパーク24(4666)が5%超の大幅安となりました。昨日発表した中間決算で営業利益が前年同期比10%超の減益となったことが嫌気されたとみられます。
【VIEW POINT: 明日への視点】
米国株安に加えてドル円も昨日と同水準と、外部環境が好転したわけではない中で日経平均は意外とも思える大幅上昇となりました。法人企業統計の結果が刺激となったことも確かでしょうが、それに加えて海外投資家等の大口買いが相場を主導したものとみられます。日経平均は本日の上昇で再び2万円回復が視野に入ってきました。今夜の米国市場で発表されるADP雇用統計やISM製造業景況指数などの重要指数が良好な内容でドル高要因となれば、明日日経平均は2万円回復となる可能性があり注目されます。
(マネックス証券 プロダクト部 益嶋 裕)