1.概況
本日の日経平均は4円安の1万9677円と小幅に続落しました。一方でTOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数は上昇と主要指数は高安まちまちでした。昨日の米国市場が休場で、ドル円も111円台前半と昨日から大きく動いておらず材料難のなか日経平均は1円安とほぼ横ばいで寄り付きました。日経平均はドル円が110円台後半まで円高に振れたことが嫌気され、寄り付き後に徐々に下げ幅を広げると10時半過ぎに112円安と1日の安値をつけました。前場を106円安と安値圏で終えた日経平均は、後場に入ると徐々に下げ幅を縮めて14時過ぎにプラスに転じました。ただ、買い材料に乏しい中で上値を追うような展開にはならず前日終値を挟んだもみ合いのような格好となり、結局4円安で取引を終えました。東証1部の売買代金は1兆8768億円と昨日に続いて2兆円の節目を割り込みました。東証33業種は空運業や金属製品など21業種が上昇した一方でパルプ・紙や水産・農林業など12業種が下げています。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は高安まちまちとなりました。売買代金トップの任天堂(7974)は0.2%高と小幅に3日続伸となりました。また、売買代金2位のソフトバンクグループ(9984)や4位のトヨタ自動車(7203)、三井住友(8316)、ブイ・テクノロジー(7717)などが堅調でした。一方で三菱UFJ(8306)、東京エレクトロン(8035)、ソニー(6758)の3銘柄は下げています。材料が出たところでは、美容健康機器などを手がけるヤーマン(6630)が8%超の大幅高となりました。2017年4月期の営業利益が前期比3.2倍の33億円程度と従来予想を上振れて着地したようだと報じられたことが材料となりました。

【VIEW POINT: 明日への視点】
一時は下げ幅を112円まで広げた日経平均ですが、後場に入って下げ幅を縮める展開となり結局ほぼ横ばいで取引を終えました。上値を追うには材料不足の一方で、日経平均の予想PERは14倍程度と業績面から見ると割安な水準で下値も堅く方向感が出づらい状況になっています。やはり鍵を握りそうなのはドル円で、113円台から114円台まで円安が進まない限り2万円回復はなかなか難しいと言えそうです。本日の米国市場では個人消費支出やカンファレンスボード消費者信頼感指数など重要な経済指標が発表されます。それらが市場予想を上回る良好な内容であれば、米金利の上昇やドル高圧力となる可能性があり注目されます。

(マネックス証券 プロダクト部 益嶋 裕)