NYダウ: 20606.93  ▼372.82 (5/17)
NASDAQ: 6011.24  ▼158.63 (5/17)

【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>

1.概況
米国市場は、トランプ米大統領がコミー前FBI長官に対しロシアとの不透明な関係が疑われたフリン前大統領補佐官に関する捜査を終えるよう求めていたと伝わるなか、今後の政権運営への不透明感が一段と高まり大幅安となりました。133ドル安と大きく下落して始まったダウ平均は一日を通して下げ幅を広げると372ドル安の20,606ドルとほぼ安値引けで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も158ポイント安の6,011ポイントと4日ぶりの反落となっています。

2.経済指標等
主要な経済指標の発表はありませんでした。

3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち不動産と公益事業を除く9業種が下げました。そのなかでも金融が3%安となったほか、情報技術と素材、資本財・サービスも2%を超える下落となっています。

4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄中25銘柄が下げました。なかでも長期金利の低下を受けてゴールドマン・サックス(GS)が5%を超える下落となりダウ平均構成銘柄で下落率トップとなったほか、JPモルガン・チェース(JPM)も4%近く下げました。また、アップル(AAPL)とデュポン(DD)も3%を上回る下落となっています。ダウ平均構成銘柄以外では、長期経営計画が失望となった半導体のアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が急落しています。一方で最高経営責任者(CEO)が身売りの可能性を示唆したと伝わった日用品大手のコルゲート・パルモリーブ(CL)が大幅高となり、決算で売上高が市場予想ほど悪化しなかったディスカウントストア大手のターゲット(TGT)も堅調でした。

5.為替・金利等
長期金利は米国株が大幅安となるなか安全資産とみなされる米国債が買われ0.10%低い2.22%となりました。こうしたなかドル円では円高が進み110円台後半で推移しています。

【VIEW POINT: 今日の視点】
米国株安と円高を受けて本日の日本市場は大きく下落してのスタートが予想されます。日経平均が今月8日に空けた大きな窓(19,464円-19,705円)を埋めに行くような展開も予想されるなか、節目の19,500円を引けで維持できるかがポイントとなりそうです。また、本日は寄り付き前の8時50分に1-3月期のGDP速報値が発表される予定で注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)