NYダウ: 20981.94 △85.33 (5/15)
NASDAQ: 6149.67 △28.44 (5/15)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は、サウジアラビアとロシアが協調減産を続ける方針で一致したと伝わったことでの原油高を受けて上昇しました。上昇して始まったダウ平均は午後に上げ幅を100ドル以上まで広げ節目の21,000ドルを付ける場面もみられるなど一日を通して堅調に推移すると結局85ドル高の20,981ドルと5日ぶりに反発して取引を終えています。また、S&P500株価指数が11ポイント高の2,402ポイントと3日ぶりに反発したほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も28ポイント高の6,149ポイントと続伸し、ともに10日に付けた史上最高値を更新しています。
2.経済指標等
5月のニューヨーク連銀製造業景況指数はマイナス1.00となりプラスを見込んでいた市場予想を下回っています。一方で5月の全米住宅建設業協会(NAHB)住宅市場指数は70となり市場予想を上回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち素材や金融、エネルギーなどの9業種が上げました。一方で電気通信サービスと一般消費財・サービスの2業種が下げています
4.個別銘柄動向
投資判断と目標株価の引き上げを受けてジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)が3%近く上昇しダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなったほか、サイバー攻撃の被害が150カ国で20万件以上にのぼると伝わるなかネットワーク機器からセキュリティー関連に事業の軸足を移しているシスコシステム(CSCO)も2%を超える上昇となり、ダウ平均構成銘柄でジョンソン・エンド・ジョンソンに次ぐ上昇率となりました。ダウ平均構成銘柄以外では、セキュリティー関連のシマンテック(SYMC)やファイア・アイ(FEYE)、プルーフ・ポイント(PFPT)などが大幅高となっています。また、医薬品受注製造のパセオン(PTHN)を52億ドルで買収すると発表した分析機器メーカーのサーモフィッシャーサイエンティフィック(TMO)が堅調でした。パセオンは買収価格にさや寄せする格好で急騰しています。一方で投資判断の引き下げを嫌気して電気自動車のテスラモーターズ(TSLA)が売られました。
5.為替・金利等
長期金利は0.02%高い2.34%となりました。こうしたなかドル円は円安に振れ113円台後半で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
米国株高と円安を受けて本日の日本市場は反発でのスタートが予想されます。短期的な過熱感も引き続き意識されるなか日経平均が20,000円の大台を試す展開となるのかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)