NYダウ: 20919.42 ▼23.69 (5/11)
NASDAQ: 6115.96 ▼13.18 (5/11)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は小売り大手の冴えない決算を嫌気して下落しました。下落して始まったダウ平均は下げ幅を広げ一時140ドル安超まで売られる場面もみられましたが、その後徐々に下げ幅を縮め結局23ドル安の20,919ドルと3日続落で取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も13ポイント安の6,115ポイントと6日ぶりの反落となっています。
2.経済指標等
4月の米卸売物価指数は前月比0.5%上昇し市場予想を上回りました。変動の激しい食品とエネルギーを除いたコア指数も0.4%上昇し市場予想を上回っています。また、先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比2千件減の23万6千件となり悪化を見込んでいた市場予想に反して改善しました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち一般消費財・サービスや金融、不動産などの8業種が下げました。一方で生活必需品とヘルスケア、公益事業の3業種が上げています。
4.個別銘柄動向
決算が減収減益で、既存店売上高が落ち込んだ百貨店のメーシーズ(M)が17%安と急落しました。メーシーズの急落が他の小売り大手にも波及し、コールズ(KSS)やノードストローム(JWN)、Lブランズ(LB)、ターゲット(TGT)なども大きく下げています。また、同業のストレート・パス・コミュニケーションズ(STRP)を総額およそ31億ドルで買収することで合意した通信のベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)も買収に伴う財務負担が嫌気され軟調となりました。ストレート・パス・コミュニケーションズも買収価格が前日終値を大きく下回る水準だったため急落しています。一方で、がん治療薬について米食品医薬品局(FDA)から新たな承認を受けたと発表した製薬のメルク(MRK)が堅調でした。
5.為替・金利等
長期金利は0.02%低い2.39%となりました。ドル円はやや円高となり113円台後半で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
米国株安に加え、ドル円もやや円高となっていることから本日の日本市場は反落でのスタートが予想されます。東証1部の騰落レシオや25日移動平均線とのかい離率などに短期的な過熱感がみられるなか日経平均が底堅さをみせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)