1.概況
本日の日本市場は112円台後半まで進んだ円高を嫌気して続落となりました。139円安の19,232円で寄り付いた日経平均は直後に150円安余りまで下落しましたが、25日移動平均線の少し手前まで下げたこともあってまもなく切り返し10時半前にはプラスに転じました。しかし、昨日終値をわずかに上回ったところで上値を押さえられると再びマイナスに転じました。しばらくは二桁の下げで推移した日経平均ですが、後場に入ると再び下げ幅を三桁に広げ13時半前には前場の安値近辺まで売られました。日経平均はその後やや持ち直し下げ幅を二桁に縮めたものの、結局87円安の19,283円と3日続落で取引を終えています。一方で新興市場は本日も堅調で東証マザーズ指数が5営業日続伸となったほか、日経ジャスダック平均も小幅に11営業日続伸となり連日で昨年来高値を更新しています。

2.個別銘柄等
2018年4月をメドに経営統合すると伝わった森永製菓(2201)と森永乳業(2264)が大幅高となりました。真偽の確認のため朝から売買停止となりましたが9時46分に解除されるとともに買い気配でスタートし、森永製菓が4.1%高で、森永乳業が17.7%高で寄り付きました。引けは森永製菓が3.4%高、森永乳業が13.4%高となり、森永製菓は昨年来高値を更新しています。再編への思惑から明治ホールディングス(2269)も3%近く上げる場面もみられました。日本信号(6741)が7.4%高と大きく上昇しました。警察庁が車両用信号機を2017年度より電球を使用したものからLEDライトを使用したものに変更し小型化する方針を固めたとの報道を受けて買われました。セブン銀行(8410)は国内大手証券による目標株価引き上げで3.5%高となっています。東ソー(4042)が寄り付き直後に急落し一時20.8%安となる場面がありました。誤発注とみられていますが、安値を付けた後に一気に買い戻されプラスに転じる場面もみられました。引けは2.2%安となっています。昨日の米国市場でキャタピラー(CAT)が大きく下げダウ平均構成銘柄で下落率トップとなったこともあってコマツ(6301)が5.4%安となりました。東証1部で下落率4位となっています。

【VIEW POINT: 明日への視点】
今週の日経平均は25日移動平均線や一目均衡表の雲の上限辺りで底堅さを確認したものの、円安一服で上値の重い一週間となり節目の19,500円を試す場面もみられませんでした。来週は28日のトランプ米大統領の議会演説が重要イベントで、驚くべき税制について具体的に言及があるかが注目されます。それ次第で来週は相場が大きく動く可能性もありそうで、議会演説が好感された場合には先週上値を押さえられた19,500円の節目を抜けて昨年来高値を試す展開もありそうです。反対に失望となった場合には今週にサポートとなった25日移動平均線や一目均衡表の雲の上限を割り込む展開もありそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)