1.概況
本日の日経平均は49円安の1万8307円と小幅に続落しました。TOPIXやJPX日経400も小幅安となり、両指数は13日ぶりに反落しました。一方で新興市場のマザーズ指数は小幅に上げています。本日の日経平均は高値と安値の値幅が70円足らずと、狭い値幅の中で大きな方向感は出ませんでした。昨日の米国市場で主要指数が小幅に安かったことを受け、日経平均は93円安と続落して寄り付きました。日経平均は9時半過ぎに98円安と1日の安値をつけましたが、その後は徐々に値を戻しました。前場を34円安で終えた日経平均は後場に入ると再びやや下げ幅を広げましたが、結局引けにかけて値を戻し小幅な下げで取引を終えています。東証1部の売買代金は2兆3080億円と昨日とほぼ同水準で、14営業日連続で2兆円を超えました。東証33業種は水産・農林業や鉱業など13業種が上昇しました。一方で鉄鋼や保険業など20業種が下げています。なお、寄り付き前に発表された10月の日本の消費支出は前年同月比0.4%減と8ヶ月連続で減少したものの、市場予想は上回りました。また、失業率は3.0%と前月から横ばいで市場予想と一致し、有効求人倍率は1.40倍と前月から上昇して市場予想を上回りましたがいずれもマーケットへの影響は限定的でした。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は高安まちまちでした。売買代金トップに入ったソフトバンクグループ(9984)が小幅に下げたほか、JR九州(9142)、トヨタ自動車(7203)も下げています。ただ、いずれも1%未満の下落と小幅な下げにとどまりました。一方で三菱UFJ(8306)などメガバンク3行は小幅に上げています。材料が出たところでは、パナソニック(6752)が3%高となりました。新型の液晶パネルを開発し、放送や医療向けに販売すると発表したことが材料視されたようです。また、3-11月期の営業利益が前年同期比2割増になりそうだと報じられた良品計画(7453)は業績の堅調さが好感され2.5%高としっかりでした。新潟や青森などの一部地域で鳥インフルエンザが発生していることを受け、関連銘柄に思惑買いが入りました。多機能マスクの製造などを手がけるダイワボウホールディングス(3107)は6%近い大幅高となりました。同じくマスクの製造なども手がけているユニ・チャーム(8113)も2.3%高となっています。

【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均やTOPIXは小幅に下落しましたが、TOPIXの下げはわずか1ポイントと本格的な調整には入っていません。引き続き市場のセンチメントは強気を保っているとみられます。目先の注目は明日30日に開催される石油輸出国機構(OPEC)総会で減産合意が決まるかどうかということでしょう。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)