ハービヴォー(herbivore)とは聞き慣れない言葉ですが、"ハーブを食べる"と云う語源で「草食動物」のことです。最近アメリカのメディアで、日本のいわゆる「草食系男子」についての記事が書かれ、その中で草食系男子のことを"herbivore men"と表現したのです。草食系男子は、遂に海外でまで取り上げられるに至りました。
何とも情けない話です、と私は個人的に思います。草食系男子と云うコンセプトは、私はあまり好きでありません。しかし思うに、日本は世界のリーディング・カントリーです。不良債権問題、年金問題、高齢化社会問題。世界の多くの地域がいずれ対峙する数々の問題を、日本は常に先頭を切って体験してきました。皮肉な云い方ですが、日本は真の先進国です。そしてまた、若い世代の文化に関しては、これはいい意味で、日本は世界の先進国です。アニメやケータイ文化など、
数えればキリがありません。
世界が抱える様々な問題の根底にあるのは、人口の爆発です。もしかすると世界の先陣を切って、日本の若者は草食系化することによって先回り対応を始めた?
そんなことありませんよね。少子化はデフレの根因。デフレは株式市場の敵。ハービヴォー比率は現在20%程度だそうですが、今後どうなっていくのか気になります。因みに肉食系はカーニヴォー(carnivore=カルネを食べる=肉食動物)と云うそうです。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。