昨日「歩く」話を書きましたが、歩きながら良く見るものがあります。
電信柱です。電信柱には歴史が見えるのを、皆さん御存知ですか?

東京の町名は、この数十年の間に随分と味気のないものに変えられてしまいましたが、電信柱を見上げると、昔の町名がそのまま電力会社や電話会社の管理用のプレートらしきものに書かれています。

以前から使っているものを敢えて変えていないのでしょう。或いは旧町名に限らず、かつてその周辺の大地主であったろう家の名前が使われていたり、その周辺地域の通称が使われていたり、電気を大量に消費するのでしょうか、付近の学校の名前が使われていたり、とにかく色々な表情があるのです。
電信柱はずっとその町を見て、その町の暮らしを支えてきたのでしょう。そしてその電信柱たちが、それぞれの町の生き字引のように、たくさんの情報や歴史を湛えている。そんな感じです。生き字引は自分から喋りだすことはありません。こちらから聞いてあげないといけない。

歩きながら電信柱を見上げるのは、私の密かな趣味です。