今年のサクラの咲き方は、ちょっと例年と違う気がします。先週の金曜日には、福岡でソメイヨシノが開花したそうで、これは統計開始以来最も早い開花だったそうですが、一方、都心ではいつも一番に咲く、外務省の角のサクラは、今日も未だ一分咲き程度でした。例年ですと今頃には、確か七分咲きぐらいにはなっていたと思います。

外務省の角のサクラはちょっと変なサクラで、もしかしたら地下に特別な熱源でもある所為ではないかと思っていたので、これだけでは今年の「乱れ」の証左にはなりませんが、週末に見掛けた或る公園でのサクラの咲き方も、咲いているものあり、咲いていないものあり、なんかチグハグな感じがしました。サクラと云っても色々な種類があるので、或る程度バラバラに咲くのは必ずしも変なことではありません。また、人の記憶ほど不確かなものはありませんから、今年の咲き方がいつもと違うとは云い切れません。

しかしやはり何か何処かいつもと違うのです。私の立てた仮説は、この冬から今に掛けての日照時間や温度の変化のパターンが例年とは違い、その結果それぞれの種類のサクラの体内システムに於ける「咲くエネルギー」蓄積度がいつもと違い、例年とは違うチグハグな開花をしているのではないかと。都内某所で、ソメイヨシノ風のサクラと辛夷(コブシ)が並んで咲き乱れているのを見掛けました。これも少なくとも東京では普段見ない光景です。しかしそう云う乱れ方も、木の生きている生理を感じるようで、趣のあるものです。自然は明らかに春めいてきました。人の世の中も、春めいてくるといいですね。