昨日も書いたゴールドマンの元パートナー達の集まりは、予想以上に多くの人が参加してかなりの盛況でした。やはりこの金融混乱の中で、「みんなはどうしているのだろう?」「何が起きているのか(知っているつもりだが)もっと知りたい」「何か耳寄りの情報はないだろうか」と云う不安と興味が交錯するのでしょうか。猛者もやはり人の子です。
身内からパネリストを出しての"投資"についてのパネル・ディスカッションや、現CEOによる会社の状況説明などもあったのですが、まぁハッキリ云って新しい発見はなく、知ってることを再確認するだけなのですが、それでもそれなりの連中が大勢集まってしまうと云う所に、人の心理というものが良く表れていると思います。
ひとつ興味深かったのは、セールスかトレーダーか、債券部門か株式部門か或いは投資銀行部門か、などで性格や考え方は違うものですが、何年経ってもその色合いの違いは変わらないことです。一般に債券の人間は悲観的で、株式の人間は楽観的なものです。
さて、この集まりの中でも、日本は概ね話題の外でした。日本に興味がない訳でも、日本が小さい訳でも弱い訳でもないのです。ただ日本からのメッセージと云うか発信がないので、特に反応もないのです。作用がないから反作用もないと云った感じでしょうか。
昨日も書いたように、今は日本にとって絶好のチャンス。カバンだろうがビルだろうが会社だろうが、買えるものは何でも買ってしまえばいいのにと私は思います。そう云う話をするとみんな同意して、「でも何故日本はそうしないんだろうね」と云う質問に当たり、そして答えは見つかりません。政局の不透明感などが、日本人をリスク・アパート、リスクを嫌う方向に押しているのでしょうか。しかし不透明な政局など、日本にとっては日常茶飯事、立派な政治的リーダーシップがあった時期の方が珍しいのではないでしょうか。そう考えると、20年前バブルの前の頃にせっせと世界中の不動産などを買いに行った時期が例外で、基本的には日本は動かないのでしょうか。
債券部の人間は悲観的に育てられ、悲観的に考えるようになり、会社を辞めてもそのクセが治らないように、日本は政局等に関係なく、いつでも"世界での買い物"には出ていかないと云うことでしょうか(ブランド品などを除く)。しかし私は元々債券部の人間でしたが、今は殆ど株式系のメンタリティに変わったと思います。
"変わらない""変われない"と云ってしまうのは或る意味で楽ですが、実際には人は変われます。日本は今こそ変わるべきだと、私は強く思います。今まで変わらなかったことが、今の瞬間は日本に有利に働いています。だからこそ日本は今変わるべきです。そんなことを強く感じた、ニューヨークへのショート・トリップでした。