この数日の動きは、まさに目まぐるしいものです。今から一営業日前、即ち金曜日、私は北京にいました。(当社の親会社である)マネックスグループの取締役会を、北京と東京に分かれ、北京から開くためです。もちろん他にも多くの様々な重要な仕事が北京にはあったのですが、それから週末を含めて3日、営業日ベースでは1日しか経っていません。
その間に何が起きたか。米政府が巨額(約75兆円)の公的資金を使って金融機関の不良債権を買い取る案を議会に提出し、それでも足りずに全米いや世界第1位と第2位の証券会社と目されるゴールドマン・サックスとモルガン・スタンレーの銀行持株会社化を認可しました。アメリカ型の透明な、市場に任せる形の金融秩序がアッと云う間に崩れ、更には世界の金融ビジネスの頂点に君臨していた2社が、その根本的なビジネス・モデルの変換を余儀なくされた。
これらの出来事が、1営業日の間に起きている。私が心の底から親愛の情を持ち、或る意味で私にとって人生の殆ど全てである資本市場が、金融ビジネスが、爆音を立てて変革を起こしている。そのど真ん中にいないことを寂しく思ったり、ホッとしたり、或いはいつ何時ど真ん中に放り出されるかと、色々と考えを巡らしたり。世の中の動きから離れて、私の頭の中だけでも、この1営業日の間に起きたこと(脳の作用)は、厖大です。「変わるか変わらないかではなく、どう変わるかが問われている。」
-同僚などと話す時に、最近私の口に何度も何度も出てくる言葉です。環境の変化は、変わることの出来ない者にとってはピンチであり、変わることの出来る者にとってはチャンスである。必ず正しく変化しようと、そう強く誓っています。