洞爺湖サミットに於いて、G8と新興国の間で、温室効果ガスの減少に向けた枠組みの話し合いがされました。これは簡単な問題ではありませんが、我々が住んでいる地球と云う星の運命を考えると、避けては通れない重大なテーマであることは自明です。

ところでこの温室効果ガスの排出量削減問題、これは一種の世代間抗争であると、私は思います。既に出したい放題温室効果ガス出して発展した先進国。
一方、遅れてやって来た新興国は、或る一定期間は温室効果ガスを出してでも発展して、先進国にキャッチ・アップしたい。時間のズレの中で発生した既得権益を守ろうとする先行組と、そのギャップを埋めるべく、過去と同じ扱いを主張する後発組。まさに世代間抗争の構図と一緒です。

日本国内に於いては、年金や医療の受益を求める勢力と、その見合いとして発生する借金や負担の増加を嫌う勢力があります。しかしサミットのように、この二つの勢力間の問題は、大っぴらに議論されていません。後者の発言力があまりにも小さいからです。

しかしそれは、前者が後者に「力」を与えてあげなければいけないことです。G8も、進んで新興国をサミットに呼び、一緒に話し合おうとしている訳です。そうしないと、本当の解決には決して繋がらないからです。世代間の問題は、我が国の抱える最も大きな問題のひとつです。そして同時に、それは親子間の問題でもあり、しっかり話し合えば、自然と解決できる問題でもあると思います。

今回のサミットが契機になって、世代間の問題を真面目に議論する雰囲気が出来ることを望むのは、あまりにも非現実的でしょう。しかし少しずつでも、そう云った考え方が広がっていくことを期待したいと思います。