FDI(海外直接投資)のうち対内直接投資、即ち或る国に対する外国からの直接投資は、以前から何度も書いてきましたが、日本では恐ろしく低い数字です。GDPに占める割合は毎年1%未満、去年に至ってはマイナス、即ち純減してしまいました。残高ベースで見ても、GDPに占める割合は1%強しかありません。即ち殆ど外資が日本に入ってきていない訳です。単に純投資目的で株式を持っているようなのは、通常FDIには含まれません。ゼロから会社を作るとか、経営支配目的である場合が含まれます。即ち日本に於いては、外国資本による企業経営が殆どないと云うことです。

一方先進他国では、対内直接投資残高は、各国GDPに対して通常30%以上です。最近では中国の対内直接投資も目覚ましい勢いで伸びています。毎年GDPの4%程度の対内直接投資を受けており、減ることは恐らくないでしょうから、アッと云う間に残高ベースでも欧米先進国並みの水準にまで、或いは少なくとも20%程度までには行くでしょう。「中国は未だ経済規模が小さいから絶対額では大したことないだろう」などと思っている人が万が一居たら御注意。中国のGDPは既に日本の60%程度あります。中国の方が日本よりも遙かに大きな額の外資、しかも経営に或る程度関与する外資を受け入れているのです。

そしてこのような外資導入は、国内に刺激と競争をもたらします。そしてそれが、国内企業を強くし、成長させ、延いてはその国の経済力を維持する筈です。鎖国ニッポン。困ったものです。昨日発表されたシティバンクによる三角合併が、今後の日本のいい方向への転換の兆しであって欲しいと思います。